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2022.05.06

You and i – IBM i 7.5、7.4 TR6、IBM i Merlinの発表

You and i – IBM i 7.5、7.4 TR6、IBM i Merlinの発表
You and i – IBM i 7.5、7.4 TR6、IBM i Merlinの発表

2022年5月3日

IBMは、IBM iの次のメジャー・リリースである7.5、IBM i 7.4 TR6、およびMerlinと呼ばれる全く新しい製品を発表しました。詳細はSteve Willによるこのブログでご確認ください。

いよいよ来ました~~~ 発表の日です!2022年5月3日、新たなメジャー・リリースである IBM i 7.5と、新しいテクノロジー・リフレッシュ(IBM i 7.4 TR6)、そして社内で「Merlin」と呼んでいる全く新しい製品をついに発表することができます[1]。

この一連の発表は非常に大きなものであり、私ができることは、いくつかのハイライトを取り上げることだけです。今後、ここや他の場所で、次のレベルの詳細に踏み込んでいく予定です。

IBM i 7.5: パート1

IBM i 7.5のストーリーを2回に分けてお伝えします。しかし、最初の部分に入る前に、リリースのすべてについて “サポート・ページ” に詳細が掲載されていることを思い出してください。

Db2 の機能拡張

Db2 for i は、私たちのプラットフォームの中核をなしています。昔は、メジャーリリースのたびに、Db2 の大きな新機能が大きな話題になっていました。というのも、IBM i の他の部分と同様、Db2 も年に 2 回、ときにはそれ以上の頻度で新機能を発表しているからです。そこで、Db2の7.5の機能に触れる前に、データベース・エンジニア(DBE)やSQLプログラマー向けに、SQL DDLの生成の改善、SQLスクリプトでのCL使用機能の改善、SQL HTTP関数の使いやすさと新機能など、7.4の新機能も紹介させていただきます。これらの 7.4 の機能強化は、7.5 の基本機能強化と同様に、独自のスタートページを持っています。

さて、7.5 の Db2 に戻ります。

  • BOOLEAN:Db2 for iは、7.5でデータ型としてSQL標準のBOOLEANをサポートするようになりました。そして、期待通り、RPGもJSONもすぐに活用できるようになりました。
  • Binary Radix:インデックスの最大サイズが16TBに大幅アップ! おそらく、以前の制限(1.7TB)で問題なかったのでしょうが、IBM i を使用して、データ量が膨大に増加しているワークロードに取り組む多くのお客様がいます。私たちはこの増加によって、彼らのニーズを先取りしているのです。
  • Ragged Flashのサポート:フラッシュコピーのユーザーならよくご存じだと思いますが、フラッシュ対象であるサーバー上では常に保留中のトランザクションがロールバックされていました。言い換えれば、データに変更を加えている場合、つまりフラッシュコピーが行われたときにDb2でトランザクションが実行されていた場合、ターゲットのデータがソースと完全に同じであることを確認することはできませんでした。 7.5では、Db2が保留中のトランザクションをロールバックしないように、フラッシュコピーに指示することができるようになりました。これにより、フラッシュコピーが発生した時点と全く同じところから開始することができるようになりました。これはお客様からの大きな要望であり、このオプションが利用できるようになりました。

Db2 Mirror Enhancements

IBM Db2 Mirror for i 製品は、IBM i 7.4 リリースで初めて導入されました。これまでに採用したユーザーは、この製品が提供する継続的な可用性の恩恵を受けて、アプリケーション 環境を活用しています。7.5 では、Db2 Mirror がその潜在能力を十分に発揮できるような、3 つの大きな特徴があります。

  • 混合リリース・サポート:ミラーリングされたペアの2つのIBM iインスタンスは、異なるメジャー・リリース・レベルであることが可能です。これは、ペアのもう一方のシステムを 7.5 にアップグレードしている間、一方の 7.4 システムでアプリケーションを実行し続けることができる「ローリング アップグレード」を可能にする重要な要素となっています。新しい 7.5 インスタンスを立ち上げると、ミラーリングされたペアに再接続し、すべての作業を 7.5 システムに移動し、2 番目のシステムをアップグレードして、再同期して完了です。つまり、あるリリースレベルから別のリリースレベルに移行する際のダウンタイムはゼロです。1つのシステムをしばらく7.4のままにしておいて、都合のいいときに移動することも可能です。もちろん、7.4 システムとペアリングしている間は 7.5 でできないことがあるかもしれませんので、異なるリリースで長期間放置することはお勧めしませんが、多くのクライアントにとっては、数時間または数日で十分です。
  • Active/Read Onlyモード:多くのお客様は、Db2 Mirror を使用して、一方のシステムを “Active” システム (トランザクションが実行される本番システム) とし、もう一方のシステムは緊急時にすぐに引き継げるように準備しておき、この2番目のシステムをロックダウンして、本番システムにミラーリングされるような変更ができないようにしたい、と考えています。7.5 では、このような動作を Db2 Mirror で強制することができます。
  • Db2 ミラーバージョン管理サービス:内部的には、コードレベルや関数の違いを追跡する手段を作っています。それが、上記の “ミックスリリース” を可能にした理由です。Db2 Mirror では、この機能を外部化し、アプリケーションが自身のコードレベルや関数の違いを追跡できるようにしました。この機能は、Db2 Mirror の 7.4 バージョンでも利用可能です。

セキュリティの機能拡張

7.5においてセキュリティ管理をより簡単にするために行った変更の数々には驚かされるばかりです。一般的には2つのカテゴリーに分類されますが、今回は、あなたが探検することになる巨大な部屋への入り口からちょっと光を当ててみるにとどめておきます。

  • パスワード:パスワードをより強力な暗号化方式(SHA2-512)で暗号化できるようになりました。また、パスワードを変更せずに、潜在的なパスワードが導入しているすべてのパスワード規則に適合するかどうかをAPIで確認することができます。また、認証に失敗したときに「悪者」がユーザーIDやパスワードを間違えたかどうかを判断できないように保証することができるようになりました
  • デフォルトの *PUBLIC Authority 値を *USE に変更:システム全体を通して、*PUBLICが*CHANGEになった状態で出荷された多くのオブジェクトを発見しました。そして、それはシステムの整合性に穴を開けるほどのものではありませんでしたが、監査人にそれを説明するのは難しいことでした。そこで私たちは、数え切れないほどの場所で*USEに変更しました。繰り返しますが、これによって物事の動作が変わる可能性は極めて低いですが、監査はずっと簡単になるはずです。

IBM i Merlin(マーリン)

私たちは、お客様がクラウドに対応したモダンな世界に移行するための製品を作ってきましたが、本日IBM i 7.5に加え、いよいよ、正式名称を「IBM i Modernization Engine for Lifecycle Integration」とする製品の発表をする運びとなりました。

IBMの多くの製品名と同様に長い名前ですが、社内では「Merlin」と呼んでいて、それがいくつかの方法で製品に流れ込んでいます。それについては、今後のブログ記事で書くことになると思いますが、とりあえず、それが何であるかを少しお話ししましょう。

つまり、Merlinはツールの集合体なのです。Merlinで最初に紹介する種類のツールは、「IBM i Next Gen Apps」アプローチによるソフトウェア開発を支援するツールです(このブログ記事を覚えていますか?)

つまり、Merlinの最初のリリースはコードを開発することに重点を置いており、統合開発環境(IDE)を備え、DevOpsアプローチ(DevOps環境のセットアップや、IBM i開発を既存のDevOps環境に統合するためのウィザード)を使用し、サービスを使用して機能の公開と利用を容易にすることを意味しています。そして、これらすべてをブラウザー・インターフェースで実現します。

そうです、これらのツールを開発者ごとにPCにインストールするのではなく、OpenShiftのコンテナで実行し、一度セットアップすれば、ユーザー(この最初のツール群では通常プログラマー)はブラウザでそれを利用することができるのです。

IBM i Merlinの詳細については今後の投稿で説明する予定ですが、今ならウェブキャストが開催され、以下の内容がカバーされていることをお伝えします。

  • すべての発表の概要
  • IBM i Merlinの概要
  • セキュリティとDb2 for iに関する最新情報
これらのウェブキャストはすべてここ*で見ることができます。
*編集部注:COMMONのユーザー登録が必要、動画はすべて英語

このMerlinの最初のリリースの機能は、顧客がIBM iの現代的な活用方法を簡単にするのに役立つ、私たちが提供したいツールのもっと長いロードマップの始まりに過ぎません。そこにあるものを見て、次に来るべきものについてのアイデアを提供し始めてください(そして「デバッガー」とわざわざ言う必要はありませんよ・・・わかっています、それは次のお楽しみです。)

IBM i 7.5: Part 2

なんてことでしょう、時間を見てください! というか、文字数が!?さすがにこれだけ大きな発表が揃うと、短い記事は書けませんね。 他の大きなもののハイライトを紹介します。

  • Power10 システムのオンチップ “Nest Accelerator” (通称 “NX”) を使って、いくつかの方法で ZLIB 圧縮を実装していますが、おそらく最も重要なのは、「SAV/RST に最新の圧縮アルゴリズムを追加してほしい」という、非常にリクエストの多かった RFE に答えることでした。
  • IBM i 7.5のパーティションで最大48コアをフルサポート。SMT8では最大384スレッドになります。SMT8を使えば、最大384スレッドになります!さらに、それ以上の規模が必要な場合は(実際に必要なお客様もいらっしゃいます)、当社のラボサービスチームが、パーティション内で240プロセッサーと1920スレッドにするお手伝いをします。
  • IBM iのOSの一機能であるジョブスケジューラは、*YEARLYをサポートします。
  • Access Client Solutions (ACS)には、SQL Scriptタブ、定義されたグループ内のシステムなど、複数のものを一度に操作しやすくするための新機能が多数搭載されています。
  • 新Naviにも、新しい機能が! もちろん、新しいIBM i Navigatorはサポートされているどのリリースでも動作しますが、7.5の発表と同時に、Performance Data Investigatorを含む大きな新機能が利用可能になりました! 新Naviがデフォルトで唯一のNavigatorである今、あなたはそれが提供するパワーとシンプルさを利用したいと思うことでしょう。

さて、今回はこの辺で。
それまでお元気で、そして大いなることを成し遂げましょう!


[1] これら以外にも、IBM iの取得方法や、いくつかのライセンスプログラム製品が「ゼロプライス」リストに含まれるようになることについても発表されていますが、残念ながら今回それらについては書かないことにします。少なくとも今日ではなく。

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