NEWS
開発と開発環境のモダナイゼーション 開発と開発環境のモダナイゼーション
2022.06.27

【開発モダナイゼーション】特別編「Merlinの発表:IBM iエコシステムにおけるウィザード中のウィザード」

【開発モダナイゼーション】特別編「Merlinの発表:IBM iエコシステムにおけるウィザード中のウィザード」
Merlinの発表:IBM iエコシステム全ウィザード中のウィザード

こちらもチェック!
IBM i 7.5と同時にIBM i Merlin登場!次世代に向けて進化し続けるIBM i
https://www.i-cafe.info/column/serials/dev_mod_sp_2

IBM i 7.5と同時にMerlinが発表されました。Merlinは、IBM iにおける新たな開発環境を提供する製品であり、ウィザード中のウィザードと紹介されています。その技術的な詳細は今後に期待するとして、まずはMerlinが導入されるに至った背景、IBMが考えるIBM iの開発環境の今後の方向性、スティーブ・ウィル氏の言う「次世代アプリ」との関係性などを理解することが重要です。その一助として、IBM iのビジネスアーキテクトであるティム・ロー氏との対談をお届けします。(編集部)

Merlinは、IBM iアプリケーション開発を現代的な、クラウド中心の世界に導く用意ができています。このティム・ロー氏とチャーリー・グアリーノ氏によるTechTalkポッドキャストで最新の発表の詳細を入手してください。

05/03/2022 チャーリー・グアリーノ

チャーリー・グアリーノ(以下、チャーリーと略します): 皆さんこんにちは、チャーリー・グアリーノです。TechTalk SMBの別エディションにようこそ。本日は、IBMから非常に特別なゲストであるティム・ロー氏をお迎えし、とても嬉しく思います。ティム・ロー氏は、IBM iのアプリケーション開発ならびにシステム管理のビジネスアーキテクトです。彼は30年以上にわたってIBM iプラットフォームに欠かせない存在であり、オペレーティングシステムの数多くの側面を担当してきました。彼はアーキテクチャーの責任に加え、お客様がIBM iのモダナイゼーションを理解するのを支援するためにも多くの時間を費やしています。何はともあれ、ティムさん、この私達の小さなポッドキャストにようこそ。

ティム・ロー(以下、ティムと略します):チャーリーさん、ここに居るなんて素晴らしい。本当に嬉しいです。お招きいただきありがとうございます。

チャーリー:ティム、あなたとお話しするのはいつも素晴らしいことです。言っておかなければなりませんが、このあなたの肩書は読むたびに少しずつ長くなっていくと思います。それを削って別の何かにするというのはどうですか?

ティム:実は、私はずっとそれを減らしてきました。私のプレゼンテーションの多くでは、単にビジネスアーキテクトなどを使用します。私はアプリケーション開発とシステム管理のオーナーであるだけでなく、他に誰もオーナーになりたくなくて私に放り投げられたものが幾つかあるので、その肩書は適切だと思われます。

チャーリー:ティム、あなたはその肩書について何が好きかというと、むしろとても簡潔だと思うのですよ。あなたがIBMでやっている事を本当に明確に定義していると思います。

ティム:その通りです。

チャーリー:ティム、これは私にとって非常に特別なポッドキャストであり、IBM iの世界では非常に特別な時間です。なぜなら、私達は新製品について話しており、こうした機会はそう多くはないからです。

ティム:その通りですね。

チャーリー:そして、これは本当に私の興味をそそりました、そしてそれは非常にワクワクさせるテクノロジーなので、私は外に出て行き、その名前を言うつもりです。その製品名を言ってから、私達はそれについて話ができます。どうでしょう?

ティム:私にはそのやり方が合っています。

チャーリー:素晴らしい。私が話している製品は、最終的に発表された通りMerlinと呼ばれています。幾つかの基本から始めましょう。Merlinは頭字語ですが…。

ティム:そうです。

チャーリー:Merlinは何の略ですか?この頭字語は実際には何の略ですか?

ティム:実は、私達は名前をMerlinにしたかったのです。というのも、この新製品は、すべてのウィザード中のウィザードであり、IBM iとエコシステムに関してユーザーの皆さんを支援する一連のウィザードのようなものを実際に意図しているからです。しかし、ご存知のように名は体を表しますから、ただのMerlinでは完全に逃げ切ることができなかったので、「ライフサイクル統合のためのモダナイゼーション・エンジン」(Modernization Engine for Lifecycle Integration)という言葉を思いつきました。適切な場所の適切な文字を引き出すと、Merlinという名前が出来上がります(笑)。

チャーリー:分かりました。それは素晴らしい名前です。Merlinのことを考えると、私が思い浮かべるのは魔法使いだというのはお分かりでしょう。それが思い浮かぶことです…。

ティム:その通りです。

チャーリー:では、何故これをウィザード(魔法使い)と呼んでいるのですか?

ティム:Merlinは、アプリケーション開発、システム管理の両方およびセキュリティで、人々が現代的な世界に足を踏み入れるのを可能にする基盤となることを意図しています。現在プロジェクトは現状の通りであり、最初のバージョンでは考えていることの全ビジョンを実現できなかったかも知れませんが、最初のバージョンではお客様がクラウド中心の視点からの新しい現代的な方法で、アプリケーションを取り扱う方法を提供することに私達は目を向けています。完全にクラウド中心である必要があるという意味ではありませんが、クラウド中心の視点の或る側面を念頭に、IBM iをその環境に関連付けるようにできたらと考えています。

チャーリー:ティム、質問しなければなりません。クラウドは非常に戦略的なプラットフォームであり、とても多くのIBMのお客様にとって大変重要なものですが、何故今なのですか。Merlinのような製品を導入するためにこの時点が選ばれたのは何故ですか?

ティム:それは素晴らしい質問です。それについては様々な理由が思い浮かびます。チャーリー、最初に思い浮かぶものの1つ、一般的に人と話をしてクラウドという言葉について話すとき、常にほぼ即座に思い浮かぶ1つの特定のクラウドがあります。それはコンテナです。

チャーリー:もちろん、コンテナです。

ティム:いいですか?現在IBM iはコンテナ内で実行されていません。将来いつかそうなるでしょうか?誰にも分かりません。将来については後で心配しましょう。しかし、今日IBM iはコンテナで実行しません。しかし、クラウドの世界で作業を始める場合、どうやって真にハイブリッドな方法でIBM iアプリケーションを動かすかという核心に至ります。それは、それがクラウド上にあるか、オンプレミスにあるか、コンテナ化された他のアプリケーションを伴っているかどうかということです。私達は、IBM iがこのクラウド・ネイティブでコンテナ化されたエコシステムと自然な方法で対話できる、理に適ったものを手に入れたいと思っていました。つまり言いたいのは、IBMはちょっと前にRedHatを買収したばかりですよね。コンテナの世界の別の側面があり、クラウドはより興味深いものになります。つまり、どうしたらIBM iはそのエコシステムにうまく適合するかということです。

チャーリー:そうですね。これによって私達は間違いなくコンテナ、この全技術に手を出すでしょう。

ティム:ええ、ですから明確にしておきましょう。MerlinはIBM iそのものをコンテナで動かすためのツールではありません。それはMerlinがやろうしていることではなく、やろうとしていることは、IBM iと対話するように見えるコンテナベースのアプリケーション、コンテナベースのインターフェース、および基盤を作ることです。つまり、このバージョンの一部として私達が提供している大きなものの1つは、一連のアプリケーション・モダナイゼーションツール全てです。それは多分、現代的な方法でそれ(あるいは、アプリケーション開発ツールと言うべきでしょうか)について語る最善の方法です。私達はアプリケーション・モダナイゼーションツールを提供していないので、それは多分Merlinを語るもっと良い方法です。私達は、現代的なアプリケーション開発インターフェースを提供しています。

チャーリー:ティム、明確にするために言いますが、私達はIBM iシステム自体がクラウドで実行されているかも知れないと言っていますが、ローカルでオンプレミスになっている可能性もあります。

ティム:本当にハイブリッドの縮図です。それが、私達がある種ここで目標としていることです。さて、すでに全てのIBM iをクラウド環境に移している場合、次のような質問をするかもしれません。いいですか、私の本番環境はすべてクラウド上にあります。アプリケーションを開発したい場合、今日利用できるツールは何ですか?RDiですか?

チャーリー:そうです。

ティム:あなたはRDiを知っています。あなたはそれを本当によく知っていますよね、チャーリー?

チャーリー:ええ、もちろん。

ティム:それはあなたのお気に入りの1つですが、まだRDiを使えるでしょうか?もちろんです。しかしMerlinで私達がやったのは、クラウド上にワークスペースを持つOpenShiftコンテナを実行できるようにする、初心者向けのクラウドベースのIDEを作成したことです。このIDEはブラウザでアクセスするので、PCを持っている必要はありません。

チャーリー:インターネットにアクセスできれば、お気に入りのブラウザを携帯して競馬に出かけることができますね。

ティム:その通りです。あなたはRPGコードやCOBOLコードを扱うことができます。この開発環境は全て、OpenShiftコンテナで実行されているこのCodeReadyワークスペース(訳注)にあります。そして、このOpenShiftコンテナは、IBMクラウド上またはお望みであれば独自のオンプレミスのOpenShiftクラウド上に置くことができます。ですから、それはあなた自身のハードウェアである可能性があります。

チャーリー:ということは、ティム…。

ティム:どうぞ続けてください。

チャーリー:あなたは確かにRDiと言いました。それは明らかに大きなエディターの選択肢の1つ、大きな現代的エディターの選択肢の1つですが、必ずしもRDiを使う必要はありません。あなたの会社がRDiを使っていて、それが依然としてこの文脈で使える非常に強力で実行可能なツールである場合はRDiを使うことができますが、発想を自由にして、代わりに使えるまたは多分これと組み合わせて使える別のエディターがありますよね。

ティム:間違いなく、それらを使って仕事ができます。

チャーリー:そして、希望に応じて開発者にうまく組み合わせさせる。

ティム:ええ、ですから、アプローチの間に基本的または戦略的な違いと言うべきものが幾つかあります。Merlinで私達は開発慣行に大きな変化をもたらします。それはどういう意味でしょう?ご存知のように、長年RDiで開発している開発者の場合、QSYSで作業を行っている可能性があり、IBM iに合わせて高度に特注品化された一連の特定のソース制御管理ベンダー製品で作業を行っている可能性があります。彼らはコード品質保証開発プロセスを通過するために、彼らが書いた非常にIBM i中心のコードを持っているかも知れません。それは長い間うまくいきました。私達はそれを知っていますが、世界は変化しており、この変り続ける世界について考えるなら、私達は根本的な視点から物事のやり方を変え、再考する必要がずっとありました。私達が今日住んでいるこの新しい世界での開発について考えると、新しい世界の主要なソース制御管理ツールは何でしょう?

チャーリー:Gitです。

ティム:そうですチャーリー、ありがとう。その通り。Gitがそれです。ならば、IBM i開発をGit中心にしない理由は何でしょう。それが、Merlinの出発点の1つです。実のところ、QSYSの世界をIFSとGitに移行するのに役立つ幾つかのツールがあります。私達は、これを支援するためにARCAD社と提携しました。このことは、全ての固定形のRPGをフリーフォームRPGに変換できることも意味します。私達は、開発コミュニティを対象に、現代的ソース制御管理を使って私が現代的RPGと好んで呼ぶものを活用し、現代的な開発を行うのを支援しようとしています。

チャーリー:そうですね。ですから、ティム、私の考えではMerlinはある1つのコンポーネントではなく、それは本当に沢山の異なる便利なツールの融合だと思うのですが。

ティム:その通りです。それはウィザード中のウィザードです。

チャーリー:ウィザード中のウィザードですか。いいでしょう、私はその言葉が好きです。私達はGitについて話しました。あなたはGitについて話しましたし、ARCADについても話しましたが、ARCADスイート内には、トランスフォーマー製品および私達がビルドをするのを援助するビルド実行のための何かがあると言いました。ビルドでこれを行うためになぜARCADが選択されたのですか。

ティム:それは素晴らしい質問です、チャーリー。しかし、過去に戻るとIBMにはRationalチームコンサート(RTC)というソース管理がありましたーこれらを現代的ソース制御管理または現代的(現代風?)ビルド・プラットフォームと呼ぶべきでしょうか?それは随分前からあります。これは、IBMに料金を払えるだけの価値ある何かとしてパッケージ化された、一種の幾つかの異なるオープンソース・ツールのIBM版です。本当に極めて現代的な開発技法を実施するためにそれを行った企業は数多くあります。しかしRTCあるいはUrban Codeでさえ優れたフレームワークですが、実のところこれらはIBM i中心の物事を理解していません。つまり、私はIBM iアプリケーションを持っており、データエリアを作成する必要があるかも知れません。データベース表を更新する必要があるかも知れません。作成するサービスプログラムがあるかも知れませんし、それから一緒にバインドする必要がある他の幾つかのプログラムがあるかも知れませんよね?これらはすべて、まさしくIBM i中心のエンティティです。ARCAD社は、RTCやUrban Codeなどに接続する幾つかの特別なプラグインを作成し、Jenkins、Jiraおよびこれらの他のオープンソースコンポーネントの幾つかに接続するように拡張しました。つまり、これらの標準化されたオープンソースのツールを正にIBM i中心のエンティティと結び付けるのに役立つ、と私達が考えていた物によく適合する既製のプラグインをARCADは既に幾つか持っていました。ですから、そこには非常に論理的な結びつきがあります。私達は長年このパートナーシップを維持してきました。それをこうして拡張するのは理に適っています…。

チャーリー:そうですね。

ティム:そして彼らは、現代的な開発を行う世界で、私が本当に重要だと考えている幾つかのツールを持っています。

チャーリー:例えば、大規模なプロジェクトビルドをデプロイするとき、実装を成功させるためにとても重要なのはこれらの依存関係ですか?

ティム:その通りです。私達が含めた別のツールの1つです。チャーリー、あなたが家を建てようとした場合、または既存の家を買ってそれを増改築しようとした場合、増改築をするために何かをする前にあなたが手に入れなければならない最初の物の1つは何ですか?

チャーリー:計画が欲しいです。

ティム:ええ、青写真ですね。

チャーリー:そうそう、青写真です。

ティム:ツールの1つで、私が非常に重要だと考えているARCADが持つプラグインは、オブザーバーと呼ばれるものです。これは影響分析ツールです。それはあなたが青写真を識別するのを支援します。どの部分が完全に適合しているのか?どのデータベース表がどこで、何を、いつ使用されるといった、開発者全員に必要な情報を提供します。ですから、開発中に青写真を見ることができます。それは大きな影響力を持ちます。

チャーリー:そして、これが全て含まれているのですか?それは全て…。

ティム:はい、それは全てMerlin製品の一部です。

チャーリー:分かりました。つまり、私達が述べたように、Merlinにはツール自体の中に多くの主要なコンポーネントがあるということですね。GitやARCADの他に、すぐに体験できるものには他に何が含まれる可能性がありますか?

ティム:Merlinの構成要素の1つは、私達がIDEと呼んでいるものです。つまり、私達はこのCodeReadyワークスペースに接続し、ブラウザ内のIDEでRPGの開発ができるようにしました。それは、ソース制御管理ツールとしてGitに焦点を当てています。それには、その一部として私達が好んでスマートビルドと呼ぶものがあります。つまり、開発者としてあなたは、プログラムをコンパイルすることを選択できますが、そのプログラムはアプリケーションの一部としてコンパイルする必要があるかもしれません。アプリケーションは複数のプログラムで構成されているかも知れませんよね?ですから、スマートビルド・プロセスが使用できます。そしてまた、ARCADにはこの特定のエンティティにぴったり合うARCADビルダーがあり、ARCADはそこでそのスマートビルドを実行するために全ての異なる要素をまとめるのに役立ちます。また、主にMaven駆動型のBOB(Better Object Builder)と呼ばれるオープンソース・ビルダーもサポートしています。選択すればそれが使えます。Merlinツールのもう1つの構成要素は、必ずしも開発者向けではなくシステム管理者向けのものです。というのも、それは、あなたがアプリケーションについて話し始め、それらを本番環境にデプロイするためのものだからです。実際に誰がそれを行うのでしょうか?おそらく実際の開発者ではありません。これはそのCI/CDプロセスです。ですから私達はJenkins駆動のCI/CDプロセスに結び付けることが可能な別のウィザードをMerlin内に作成しました。

チャーリー:直ぐに使えるのですか?

ティム:ええ。ですから、私達はJenkinsを提供しており、その一揃いを持つ予定です。これで既存のJenkinsインターフェースの使用を選択できます。また、これらの構成要素もプラグインするので、これを設定して使用する方法について幾つかの選択肢があります。

チャーリー:ビルドプロセスに戻りましょう、ティム。あなたは最初にARCADプラグインについて述べ、次いでオープンソースプラグインのBOBについても述べました。何故どちらか一方を使いたいのですか?1つに制限されていますか、それとも1つをもう1つの為に使用するか、別のビルドの為にビルドするか、それとも…?

ティム:いいえ、両方を使用できます。両方をそれぞれ並べて使用できます。

チャーリー: なるほど。

ティム:ところで、繰り返しますが、BOBの違いはそれがオープンソース・フレームワークであることです。それはMavenの上に構築されていますが、実際にビルドを行うには実のところ幾つかの力仕事を行う必要があります。ビルドを行うために、スクリプトに入れる物の幾つかを理解する必要があります。ARCADプラグインは、設計を構築する手段であり、実際に幾つかの構成要素を引き出すことができます。何故なら、それは情報を引き出す対象のアプリケーションに関して幾らかの知識を有しており、あなたのためにそれらプラグインの構築の一部を実行できるからです。ですから、これは実際のところ「自動化と支援」対「多くの手作業」という側面が強いのです。これが実際の違いであり、ARCADビルドはMerlin製品の一部なのでMerlinに付いて来ます。それに対する追加料金はありませんし、使用しなくても構いません。依然としてお金は払いますけどね。

チャーリー:この全く新しい製品の一部としてスティーブ・ウィルが話した1つの言葉は、「次世代アプリ」です。ご存知ですよね。

ティム:もちろんです。

チャーリー:ご存知のように、それは彼が好んで使う言葉で、それに値するものだと知っていますが、「次世代」とはどういう意味ですか?つまり、私達は何十年もの間プログラミングを行ってきました。それを次世代アプリにするこれの何がユニークなのでしょう?

ティム:アプリケーションについて考えるなら、これはあなたと私が何年にもわたって話してきたモダナイゼーションの話です。それは、仕事に最適なツールを使用し、本当に多くの点でハイブリッドですよね?RPGには他のどこよりもうまく処理できる特定の領域があるので、RPGは私達のアプリケーションの将来においても依然として非常に重要な役割を果たします。他の要素、例えばユーザーインターフェースなどがありますが、。RPGにはユーザーインターフェースがありません。いいえ、5250画面は数に入れないので考えることすらしないでください、チャーリー。つまり、このハイブリッド・アプリケーションを提供するためにインターフェース用に使える他のツールがあります。REST APIの世界です。RPGアプリケーションが内部WebにあるREST APIを活用できるようにすることが可能です。例えば、RPGのアプリケーションがあり、一つの荷物を送るとします。そのRPGで管理されている荷物と、社外の運送会社が公開している追跡番号とが結び付けられないのはなぜでしょうか?とても簡単に接続でき、どちらの方向にも行ける方法は他にも沢山あります。そこでは、REST接続を使ってIBM iとRPGに接続し、データを引き出す、別の言語で実行されているかも知れないアプリケーションを持つことができます。そして、その次世代アプリ全体が、10年後に新たなアプリケーションを作成することになった場合、開発者は誰でしょう?チャーリー、あなたや私ではありませんよね。おそらくそれまでに私達は引退しているでしょう、違いますか?

チャーリー:まあ、その事について考えることになるでしょう。

ティム:その通りです、多分ね。

チャーリー:とても可能性が高いです。その通り。

ティム:ですから、私達は自分の会社や開発者が現代のツールを使うよう、移行を開始できるようにする必要があります。現代のツールとは、GitやブラウザーベースのIDEそして、CI/CD処理を活用して自動デプロイなどが行えるその他幾つかのツールです。したがって、場合によってはかなり大きな変更になる可能性がありますが、それは刺激的であり、IBM iアプリケーション開発組織が向かう必要のある重要な方向だと思います。

チャーリー:ティム、道が知りたいのです。モダナイゼーションについて深く議論するときはいつでも、私達はその話題を超えてデジタルトランスフォーメーションについて話しますよね。そして例えば、サービスについて話します。これは、とても大きなコアテクノロジーであり、将来アプリケーションが採用するコアテクノロジーの1つです。Merlinはもっと簡単にそこに辿り着くための進路を提供してくれているように聞こえます。

ティム:その道筋を提供しようとすること、そのツールを提供すること、そしてオンプレミスであろうがクラウドであろうが、この新しい世界で働くためのその他色々な物をお客様に提供することが目標です。

チャーリー:さて、人々が欲しいと期待する可能性のあるもの、例えばデバッガーなど、について話しましょう。Merlinを使用している場合、どうやってコードをデバッグできますか?

ティム:いい質問です、チャーリー。これは、最初の出荷時点では実現しなかったことの1つです。

チャーリー:しかし、それは実現しかけています。

ティム:実現しかけています。間もなく登場することを願っています。どれ位間もなくかは予想できませんが、それまでの間まだRDiがあります。多くの会社がRDiを所有しています。彼らはRDiを使用してそこでデバッグすることができます。実のところ、ACS(Access Client Solutions)にデバッガーがあります。そこにデバッガーがあるのです、チャーリー。グラフィカル・デバッガー。そこでRPGコードをデバッグできます。

チャーリー:ちょっと待ってください。

ティム:間違いなくあなたはいつもそれを使っていると思いますよ、違いますか、チャーリー?

チャーリー:待ってください。そこで止めてください。あなたに質問する必要があります。ACSにデバッガーがありますか?

ティム:ええ、ACSにはデバッガーがあります。

チャーリー:これは最高のことのようですね…。

ティム:ええ、それは間違いなく隠された宝石であり、正直なところ実はかなりうまく隠されています。実際には、SQLスクリプトの実行に埋め込まれています。したがって、SQLスクリプトの実行を開くと、その下に実行またはそれに類したリンクがあります。ええ、実行の下でデバッガーを起動できます。システムデバッガーは、[実行メニュー]オプションの下にあります。そう、うまく隠されています。

チャーリー:ティム、ご存知のように、このポッドキャストは世界中で何億人もの人々に放送されているので、それはもう秘密ではありません。

ティム:その通りです。いいでしょう。

チャーリー:秘密は吹き飛びます。まあ、知っておくのはいいことです。いつ頃出荷するかが決定されたら直ぐに出てくるのは分かっていますが、それで構いません。もう直ぐだといいのですが。Merlinについてもっと知るためにはどこに行けばいいですか?

ティム:発表資料の一部としてその一部となるリンクがあります。IBM iテクノロジーリフレッシュのページに行く場合、通常私はお気に入りのGoogleにアクセスし、「IBM i TR」と入力します。魔法のようにTechnology Refreshというページがあり、そのページには各テクノロジーリフレッシュ、リリースされる新しいOSそれぞれに対するすべてのリンクが一覧表示されます。Merlinもそこにリンクがあるので、それで情報を入手できます。

チャーリー:そうです、そしてもちろん、発表から何でも入手できます。そこでも私達はMerlinについてもっと学ぶことができます。

ティム:ええ、そして私達はこのコンテンツを構築し続けているので、毎日そして定期的に掲載されるものが更に増えるでしょう。つまり、これはまったく新しい製品なので、モダナイゼーションに関して言えば、ずっと進化し成長し続ける対話になるでしょう。

チャーリー:製品をより良く、より速くするために、Merlinを使用し始めた人々もすぐに報告する義務があるかと尋ねてもいいですか?

ティム:それは言うまでもなく、私達がすることすべてに当てはまります。

チャーリー:それは本当です。つまり、それは通常のRFEコミュニティを通じて行われると思います。

ティム:ええ、それは実際にはアイデアまたはAHA、あるいはそれに類した名前で呼ばれていると思います…。

チャーリー:そうです。

ティム:それは変更されましたが、拡張機能要求(RFE:Request for Enhancements)と同じ概念です。

チャーリー:いいですね。さて、ティム、言っておかなければならないのですが、私が発表資料を読んだとき、これは本当に私の興味をそそるもので、これについてもっと学び、これで遊び始めることにとてもワクワクしています。現代的な方向へ足を踏み出すことに真剣な人は誰でも、これを本当によく見ると共に、今持っているものを理解し、単なる現代的コードを遥かに超えた、真のモダナイゼーションと真の環境への道をどうやって実際に進むかを理解する必要があると思います。環境全体をです。

ティム:ええ。私達はMerlinが提供しなければならないことに本当にワクワクしています。これは考え方の急進的な変化ですが、IBM iコミュニティが考える必要のある重要な考え方だと思います。つまり、将来的に関連性を持たせるためには、今日の才能を活用する必要があります。Merlinの目標は、会話をその方向に導く手助けをすることでした。

チャーリー:ええ。ティム、結論は、これは開発者が開発製品に求めているものだというのが私の見解です。これが私達の会社が要求しているものです。私達が手にするのは、より高い生産性と安全性と…。

ティム:それと、より良い品質。

チャーリー:より良い品質のコード。これについて私が考え得るどの形容詞も、全てこの会話に当てはまります。より良いデプロイ、より高い安全性、より良いテスト。

ティム:ええ。つまり、Merlinがしていることを考えると、それは会社の全ての異なる側面の懸念を実際に対象にしているということです。CIOはクラウドのことをやりたいので心配しています。技術責任者は、最新のテクノロジーを使用して、アプリケーションが最高の品質で実行され、ビジネスのニーズに対応できることを保証したいと思っています。そして、私達は開発者が快適で最も生産性の高いツールを持ち、彼らにビジネスのニーズに応えられる最高の機会を提供したいと思っています。

チャーリー:私は本当にみんながこれについて読むことを勧めます。これまで私が見てきたことから判断すると、これは本当に大成功するでしょう。ティム、私はかなり自信を持ってそう言うことができます。

ティム:ありがとう、チャーリー。

チャーリー:どういたしまして。開発者コミュニティや他の誰か、例えばCレベルの開発者、あるいはあらゆる人と共有したい最終的な考えはありますか。メッセージは明確だと思います。

ティム:そうですね、ライフサイクル統合のためのこのモダナイゼーション・エンジンMerlinはとても発音し易い言葉です。それはワクワクする新製品です。それは成長し続ける筈です。それは、私達のプラットフォーム上での将来の開発がどのようになるかについて、私達の会社が考えるのを根本的に助け続けると思います。ですから、うまく行けばそれはゲームチェンジャーになります。私達はそのことに興奮しています。

チャーリー:素晴らしい。ティム、このポッドキャストのためにあなたと話した後、あなたが公式に色々な物のビジネスアーキテクトである理由が私にはとても明白になりました。それはとても素晴らしい用語です。とても相応しいと確信しています。

ティム:ああ、ありがとう。

チャーリー:どういたしまして。さて、それはまとめです。本日はポッドキャストをお聴きいただき、誠に有難うございました。Merlinをチェックしてください。これは本当にワクワクする技術です。TechChannelがWebサイトで提供している他の製品やその他のものを必ず見てください。そこにはたくさんの良いコンテンツがあります。それでは来月また。皆さん、さようなら。


(訳注)

CodeReadyワークスペースは、正式な製品名を「Red Hat CodeReady Workspace」と言い、Red Hat OpenShift上で一貫性の有る安全な事前設定された開発環境を提供するものです。

こちらもチェック!
IBM i 7.5と同時にIBM i Merlin登場!次世代に向けて進化し続けるIBM i
https://www.i-cafe.info/column/serials/dev_mod_sp_2

いいねと思ったらシェア
twitter
facebook
hatena
開発と開発環境のモダナイゼーション 目次を見る

この連載は…

開発と開発環境のモダナイゼーション
関連記事
【開発モダナイゼーション】第5回「IBM iの最新デバッグ技法<br>-RDiとサービス・エントリー・ポイントを使う-」
【開発モダナイゼーション】第5回「IBM iの最新デバッグ技法
-RDiとサービス・エントリー・ポイントを使う-」
【開発モダナイゼーション】第7回「VSCodeの拡張機能 Code for IBM i による開発利用可能性の拡大」
【開発モダナイゼーション】第7回「VSCodeの拡張機能 Code for IBM i による開発利用可能性の拡大」
【開発モダナイゼーション】第2回「RPG開発者がRDiを使うべき理由」
【開発モダナイゼーション】第2回「RPG開発者がRDiを使うべき理由」
あなたにオススメの連載
できるIBM i 温故知新編
6記事
できるIBM i 温故知新編
IBM i の”新”必須言語 〜FFRPG入門〜
14記事
IBM i の”新”必須言語 〜FFRPG入門〜
IBM i アプリの第二の柱 OSS
15記事
IBM i アプリの第二の柱 OSS
PAGE TOP