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2022.09.27

【開発モダナイゼーション】第7回「VSCodeの拡張機能 Code for IBM i による開発利用可能性の拡大」

【開発モダナイゼーション】第7回「VSCodeの拡張機能 Code for IBM i による開発利用可能性の拡大」
VSCodeの拡張機能Code for IBM i による開発利用可能性の拡大

VSCodeはオープンソースの高機能エディターで、WindowsはもとよりMacやLinuxでも動作し、数多くの拡張機能やカスタマイズ機能によって自社に合った開発環境を整えられるといった理由から、今や多くのユーザーに利用されています。Code for IBM iはこのVSCodeに対する拡張機能の1つで、その名が示す通りIBM i用のアプリケーション開発をVSCode上でサポートします。今回は、IBM i用の開発環境の新たな有力候補として、このCode for IBM iについてご紹介します。(編集部)

今やユーザーは、自分達のあらゆる開発ニーズを満たす無料のオープンソース拡張機能として、VSCodeからCode for IBM iにアクセスすることができるようになりました。

09/13/2021 ブリアナ・ボッカ―

時として、新しいテクノロジーを作り出す最良の方法は、うまく行くことが既に証明されている標準を使い続けながら、同時にそれらをもっと利用し易くすることです。これは、あらゆるIBM i開発ニーズに応えるオープンソースのVisual Studio(VS)Code拡張機能であるCode for IBM iを最初に始めたときのリアム・バリー・アラン氏の思考プロセスでした。

アラン氏は、2017年からずっとソフトウェア開発者、講演者、およびIBMチャンピオンであり、Code for IBM iが生産性と速度の点でIBM iに最善の開発体験を提供すると信じています。

「元々、私たちはスタンドアロンのエディターを作っていましたが、標準を使用する方が良いだろうと常に分かっていました。ですから、既に多くのユーザー数を持ち、素晴らしい拡張APIを備えたVSCodeのような既存のプラットフォームを使用することは、正しいことのように思えました」とアラン氏は言います。

VSCodeは既に開発の標準ですので、IBM i開発者が世界中のすべての開発者が使用しているツールを使用できることがアラン氏にとって重要でした。VSCodeを使用すると、あらゆるプラットフォームでそれを実行でき、全てのことを1か所でできます。Code for IBM iはクラウドでも実行でき、Windowsユーザーと同じようにMacユーザーもそれを利用できます。

アラン氏は、1つのエディターで4つまたは5つの異なる言語を書く方法を含め、プラットフォームの多くの機能を活用する方法を人々に示すことを望んでいます。この拡張機能により、RPG、COBOL、C、JavaScript、TypeScript等の様々なコードが書けます。

「これも将来的にやりたい事だと考えています。人々が学び続けるための言い訳としてCode for IBM iを使いなさい」とアラン氏は言います。それは、Code for IBM iの単純化されそして総合的な機能であり、コーディングスキルセットに着手またはそれを拡張しようとしている人にとって大きな魅力です。

トレーニングスキル

仮にユーザーがVSCodeを一度も使ったことがないとしても、Code for IBM iの無料の対話型チュートリアルは、アラン氏が言う「学ぶための言い訳」を彼らに提供します。初めて開始した人のためのチュートリアルの話題には、システムへの接続とソースコードのオープン、そのコードのコンパイル、そして最終的にそれをすべて管理する方法の学習が含まれます。

これらのチュートリアルに加えて、Code for IBM iは、RPGやCOBOLというコーディング言語のための利用可能なオンライン資源の中に、大きなギャップを埋めるこれらの言語用のチュートリアルも含んでいます。PHP、JavaScript、Pythonなどの他のほとんどの言語には、オンラインの既存の対話型チュートリアルがあります。RPGおよびCOBOL向けのIBM iの対話型チュートリアルのお陰で、RPGやCOBOLおよびその他の言語でスキルセットを構築できるでしょう。

「これは、これらの言語での開発経験があり、拡張機能を初めて体験する人々だけでなく、IBM iでRPGおよびCOBOLでの開発経験がなく、拡張機能を初めて体験する人々にとっても素晴らしいことだと思います」とアラン氏は言います。

付随資料もまたアラン氏がチュートリアルを作成する主要な動機でもあります。人々が容易に言語を理解できるように付随資料を作成することは、新規および既存のユーザー向けにスキルセットを広げるためのCode for IBM iの利用可能性を単に増大させるだけです。

サポートモデル

アラン氏がCode for IBM iで直面した課題の1つは、他にも仕事を抱える中で拡張機能をその全機能へと拡大する時間を見つけることでした。これこそがプラットフォームのサポートモデルが欠かせない要所になります。より多くの人をプラットフォームの開発に巻き込むことで、機能をより迅速に拡張し全体的なユーザー体験を向上させることができます。

Code for IBM iに貢献することを選択した人々には、見返りとして多くのサポートが提供されます。今のところこの拡張機能には14人の貢献者が居り、彼らは個人的な電子メールサポートと新機能への早期アクセスを手にしています。Code for IBM iを支援した貢献者は、オープンソースになる前にこの新しい拡張機能のテストに取り掛かりました。アラン氏はまた、Code for IBM iの有給サポーターは、一般的に優れたバグ報告書を作成しており、このことがより効率的に問題に対処するのに役立つと指摘しています。

サポーターからこのような優れたフィードバックを受け、Code for IBM iはコードカバレッジと単体テストという2つの新機能をリリースしました。どちらの機能もプラットフォームでの使いやすさをより容易にする筈です。

「ソースコードに対してコードカバレッジを実行し、エディターで結果を見ることができます。そしてVSCodeでもそれを実行できます。それは素晴らしいことです」とアラン氏は言います。「本当に素晴らしく、これまでに取り組んだことの中で私のお気に入りの1つです。」

Code for IBM iには、単体テストフレームワークも組み込まれています。これは、ソースコードの個々のユニットのパフォーマンスを判断するのを簡単にします。

ユーザーおよびコミュニティー駆動

Code for IBM iは着実にユーザー数を増やし、ダウンロード数を2,551にまで拡大しました。これは、アラン氏にその開発に打ち込んできた作業に対する誇りを与える数です。

「人々は別のエディターとVSCodeの必要性を理解していると思います」とアラン氏は言います。「ニーズがあり、私は自分自身ためにそのニーズを満たすための最善の努力をしようとしているだけです。 私は今でもまだRPGとCOBOLを書いています。 ユーザー第一のオープンソリューションを用意することは重要だと単純に思います。」

Code for IBM iの成長の背後にある原動力が、ユーザー体験と人々のニーズを満たすことに焦点を当てていることは明らかです。このため、コミュニティーからのアイデアが奨励され意見の提供が高く評価されます。有用なアイデアが生まれた場合、Code for IBM i開発者は確実にそれが直ぐに実装されるようにします。

アラン氏は、Code for IBM iに取り組んだことは幸運だと感じていますし、更に他の人々もまたこのオープンソースリソースに取り組みたいと思っていることを嬉しく思っています。標準のエディターとして始まったものが急速に成長し、継続的な学習と共同作業を促進するプラットフォームに進化しました。

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