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2024.04.12

【開発モダナイゼーション】第14回「継続的モダナイゼーションのための6ステップ」

【開発モダナイゼーション】第14回「継続的モダナイゼーションのための6ステップ」
【開発】第14回「継続的モダナイゼーションのための6ステップ」

モダナイゼーションは1回実施すれば終わりではなく、技術革新などに対応して継続して実施するべき作業だと筆者のコーリ氏は言います。また、その作業を戦略的に推進するためには、正しいステップを踏んでモダナイゼーション計画を立案、実施することが重要であると指摘しています。正しいステップとは具体的には一体どのようなものなのでしょうか? (編集部)

2024年1月3日 プニート・コーリ

ロケットソフトウェア社のプニート・コーリ氏が、継続的モダナイゼーションを成功裡に、そしてデータ駆動型で成し遂げる方法を説明します。


マッキンゼーのデータによると、ビジネス変革の影響の71%がテクノロジーに依存するといいます。つまり、競争優位を保とうとしているあらゆるビジネスにとって、モダナイゼーションは最優先事項だということです。しかし、モダナイゼーションへの道は、1回限りのイベントではなく継続的な旅であり、適切なツールを使うことで、組織は自分達の活動領域で今後も引き続き成長し続けながら、それを自分のペースで取り込むことができます。メインフレーム、中型サーバー、クラウド、またはそれらの間のどれかを使って企業活動を行っていたとしても、顧客体験の改善や市場占有率の拡大のような基本的目標を満足させるために、ITとビジネスニーズを整合させることはかつてない程重要です。

ビジネスが現代的アプリケーション開発とクラウドの採用という旅に乗り出すとき、それらは成長と革新のための多くの機会を解き放ちます。クラウドとアプリケーションモダナイゼーションの長所を理解することで、この変換プロセスのための基礎が築かれます。予期しないモダナイゼーションの課題に直面したとき、自動化と進行中のビジネス成果を戦略的に推進する、徹底した継続的モダナイゼーション計画を実施することが理想的です。

最善の成果のために、組織のデータ駆動による継続的モダナイゼーション計画には、以下の6つの重要なステップが含まれていなければなりません。

1. プロセス発見

あらゆるモダナイゼーションの試みに乗り出す前に、会社内で使用されている既存のアプリケーションとテクノロジーを大局的に理解することが重要です。この理解は、強み、弱み、冗長性、改善領域を識別するための徹底した洞察とデータに基づいていなければなりません。プロセスの発見は、現行のワークフロー、手順、システムの分析と緻密な計画立案を伴うので、ワークフローの評価、プロジェクトのスケジュール見積もり、そしてコスト超過の軽減に役立ち、それ故に重大かつ重要な最初のステップです。このステップは、組織が現行の仕事のやり方を理解し、ボトルネックまたは非効率な部分を識別し、モダナイゼーションに要する時間と資源を見積ることができるようにするために欠かせません。前もってこれらのワークフローを理解することで、プロセスの早い段階で潜在的な落とし穴や改善領域が予測でき、それらに対処できます。

徹底したプロセス発見を通知するためのビジネス横断的な協業は、モダナイゼーションへの取り組みのための確かな基盤を提供しながら、アプリケーション利用への包括的な洞察を保証します。アプリケーションの利用のもっと総体的な見方及び異なるビジネス領域への影響は、様々なチームならびに全体像を取り込むことによって得られます。この協業は、モダナイゼーションの取り組みを計画し実行するための確かな基盤を形作りながら、全ての関連する洞察が考慮されることを保証します。

2. プロジェクトの優先順位付け

ワークフローとプロセスを完全に理解することで、組織は自動化とモダナイゼーションを通じて改善する機の熟した特定領域を正確に狙うことができます。この鮮明さのお陰で、ビジネスに具体的な恩恵をもたらし、価値を付加できる最も重要な側面に重点的に取り組むことができます。

変更を実行に移す場合、優先順位付けが鍵になります。組織は、どのプロジェクトまたは領域に最初に立ち向かえるかを識別して優先順位付けをすることで、総合的なビジネス目標と自分達の取り組みを整合させることができます。この戦略的なアプローチは、提案された作業とビジネスに対するその潜在的な肯定的影響の間の明確な相関関係を示すことで、主要な利害関係者から確固とした支援を取り付けるのに役立ちます。それは、取り組みが最も重要な価値をもたらす、あるいは最も急を要する課題を解決するプロジェクトに向けられることを保証するのに役立ちます。

3. 自動化の実施

自動化は、モダナイゼーションの取り組みの中で、企業が迅速にROI(投資対効果)を達成するための効果的な方法を提供します。自動化には、ソフトウェアおよび繰り返され且つルールに基づいた仕事を自動化するための機械学習の使用が含まれ、プロセスを合理化して手作業の介入を減らします。

自動化の主要な機能は、データ入力またはファイル転送の様な決まった動作及び繰り返し作業の流れを自動化します。そうすることで、これらの仕事を人間が行うよりも早く、エラーをより少なくすることで生産性が向上します。また、従業員が人間の専門知識を必要とするもっと刺激的で価値の高い仕事に注力できるので、ユーザー満足度も高まります。更に、平凡な仕事から資源を開放することで、組織はこれらの資源をもっと重要で戦略的なプロジェクトに割り振ることができ、総合的な効率が高まります。

4. 現代的ユーザー体験

現代的アプリケーション開発を探求する中で、組織は伝統的な5250画面によって重荷を負わされているワークフローを特定します。これらの画面は、対話操作の速度を低下させ、ユーザーインターフェースをユーザーにとってあまり使い易くないものにすることで、平均以下のユーザー体験(UX)の一因になります。これらの課題に対処するために、組織はユーザー作業の流れと整合する様に明確に設計されたユーザーインターフェース(UI)を作成することに集中します。これらの新たなインターフェースは、対話操作をよりスムーズ且つユーザーが使い易いものにする移動フィールドや直観的な流れを組み込んで、実用性を優先します。このモダナイゼーションのアプローチは、プロセスを効率的にすると共に使い易さを向上させることで、UXを大きく強化することを狙っています。

5. プロセス統合

組織は、重要なビジネスアプリケーション(ERPシステム)をアプリケーションに統合するために、APIを作らなくてはなりません。APIの作成は、シームレスなデータ交換及び協業を発展させるのに役立ちます。何故なら、APIはアプリケーションのサイロ化を打ち壊し、IT基盤の制約からビジネス運営を開放して伝統的なアプリケーションとクラウドを基盤とする多様なサービスの橋渡しをするからです。効率的なAPIの実装は、端末画面を迂回する、またはストレージシステムから直接データをアクセスすることで応答時間を最適化します。

APIは、古い伝統的アプリケーションとクラウドを基盤とする様々なサービスの隙間の橋渡しをするコネクタとして働きます。そうすることで、データと機能のサイロ化された性質が取り除かれ、より統合化され接続されたシステムが作り上げられます。この統合化により、ビジネス運営は伝統的なIT基盤による制約から解放され、柔軟性と拡張性がもたらされます。APIの効率的な実装は、データのアクセスおよび活用のための応答時間を改善します。これは、端末画面を迂回する、またはストレージシステムから直接データをアクセスすることによって成し遂げられ、不要なステップやデータの抽出または処理による遅延を回避します。

6. 自動化管理

DevOpsツールによるロボットやAPIの集中管理は、モダナイゼーションや自動化機能強化を開発者環境にまで拡張し、様々なプロセスをモダナイズし自動化する一貫した効率的アプローチを保証します。

この集中管理システムによって促進される自動化は複数の目的の役に立ちます。第1に、それは開発者環境内の様々なプロセスを効率化し、手作業による介入を減らして効率を高めます。第2に、それは事前定義された方針または標準を実行し、異なる自動化プロジェクトにまたがる一貫性と規則への適合性を保証します。最後に、繰り返し作業を減らし、より効率的な環境を提供することで、開発者の生産性が高まります。これにより、回り回って継続的改善と革新に繋がる環境が作られます。

モダナイゼーション計画の成功は、一貫性ある統合、セキュリティーの強化、効率の向上を実現しながら、いかに現代的アプリケーションの力とクラウドを繋ぐかに懸かっています。組織は、プロセス発見を通じてこれらのアプリケーション及びワークフローを完全に理解することで、自信をもってモダナイゼーションの取り組みを優先順位付けし、一枚岩のアプリケーションをマイクロサービスに効率的に変換することができます。

ERPソフトウェアは、新しいプロセス、技術、または動向が生じるたびに影響を受けるので、業界の変化の激しさを考慮すれば、アプリケーションのワークフローを最新のものに保つためにこれを見直し、更新するのは当然のことです。競争力を保つために、ビジネスは迅速なモダナイゼーションと自動化を受け容れなければなりません。歴史的に、リーダー達は最初に自動化するワークフローとプロセスの選択及びこれらの変化を成立させるための適切なツールの選定に取り組みました。継続的モダナイゼーションソリューションは、永続的なビジネス成果を適切なペースで生み出すデータ中心的戦略を構築する手段を依然として提供しています。

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