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2023.12.22
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IBM Power Systems Virtual Server環境を使用したバックアップ検証
~ バックアップ Hints & Tips ~

IBM Power Systems Virtual Server環境を使用したバックアップ検証<br />~ バックアップ Hints & Tips ~
IBM Power Systems Virtual Server環境を使用したバックアップ検証<br />~ バックアップ Hints & Tips ~

概要

IBM Power Systems Virtual Server(以降、Power VS)の環境を使用して、保管および復元における2ソリューションについてのレスポンス検証を以前実施しましたが、追加でIBM Cloudで提供が開始された StoreSafe VTL for PowerVS(VTL)の検証を行いましたので、以前の結果に追加致します。
(※ 2022年11月30日開催「IBM Power 朝会」の内容に一部修正・加筆致しました。)

【対象製品とデータ保管先】

  • IBM Cloud Storage Solution for i (CS4i) → IBM Cloud Object Storage(ICOS)
  • Hybrid BACKUP → IBM Cloud IaaS Server(Windows Server2019)
  • StoreSafe VTL for PowerVS(VTL)→ IBM Power Systems S922(Linux)

背景・目的

Power VS上の IBM i 環境ではテープ媒体へのバックアップがサポートされていないため、バックアップソリューションを検討する必要があります。そのためIBM社推奨の CS4i を使用して ICOS への保管/復元と、VINX社の Hybrid BACKUPを使用して IBM Cloud上のWindows Serverへの保管/復元操作の実測を以前行い、レポートを作成しました。(公開済)

今回は、その後提供が開始されたVTLについて検証を行い、それぞれのバックアップソリューションの特徴を確認することを目的としています。

製品概要

<IBM Cloud Storage Solution for i (CS4i)>

IBM i のデータのIBM Cloud Object Storage(ICOS)への保管/復元を実現するバックアップソリューション

<Hybrid BACKUP>

IBM i のデータを、Disk to Diskで保管/復元可能にするバックアップソリューション

<StoreSafe VTL for PowerVS(VTL)>

IBM i にはテープライブラリー装置として認識される、PowerVSのインスタンスとして稼働するバックアップソリューション

構成内容

使用した機器の仕様は以下の通り。

Power Virtual Server

  • データセンター:東京04
  • モデル:S922
  • ディスク容量:SSD 180GB(540 IOPS)
  • メモリ:8GB
  • コア数:0.25(3750CPW)
  • OS:IBM i 7.4
  • 一次言語:2962(日本語)
  • QCCSID:5035
  • 検証ライブラリー容量:10GB(2GB、3GB、5GBの3ファイル)

IAサーバー(IBM Cloud)

  • WindowsServer2019 Standard
  • CPU:Xeon Gold 6140 2.30Ghz
  • メモリ:8GB

StoreSafe VTL for PowerVS(VTL)

  • データセンター:東京04
  • モデル:S922
  • ライセンス・リポジトリー容量:SSD 1TB(3,000 IOPS)
  • メモリ:18GB
  • コア数:2
  • ブート・イメージ:VTL-FalconStor-10_03-001

ネットワーク

  • IBMクラウド ― イグアス社(川崎本社)間のVPN 接続環境を利用(IPSec VPN 100Mbps)

検証内容

IBM Cloud Storage Solution for i (CS4i)

保管対象ライブラリー(10GB)について、圧縮ありと圧縮なしの2パターンにおける保管/復元時間の測定を行いました。
ICOSへのアクセスルートは、Private ルートでの結果を報告しています。 (下記検証概要図参照)

Hybrid BACKUP

保管対象ライブラリー(10GB)について、圧縮ありと圧縮なしの2パターンにおける保管/復元時間の測定を行いました。
保管先はIBM Cloud上のWindows Serverのディスクを使用しました。

StoreSafe VTL for PowerVS(VTL)

保管対象ライブラリー(10GB)について、圧縮ありパターンにおける保管/復元時間の測定を行いました。

検証概要図

検証構成イメージは下図の通り。

  • ICOSとのアクセスは、Privateルートパターンで検証を実施しました。

検証結果

バックアップソリューション検証結果

圧縮率が高いのはCS4i、保管/復元時間が速いのは FalconStore VTLという結果になりました。

注)CS4i 欄の保管/復元時間は、OSコマンドの実行時間とICOSへの転送時間の合計。

検証結果

IBM Cloud Storage Solution for i(CS4i)

  • CS4i の保管/復元操作は、OSコマンド(SAVLIB/RSTLIB)の操作とICOSとの転送時間の合計値となっています。
  • CS4iを使用したICOSへの保管/復元の場合、仮想テープ装置経由になるため、インスタンス(区画)に構成されているディスク容量のサイジングが重要です。
  • 保管/復元時間は仮想テープ装置へのアクセスがあるため、インスタンス(区画)に構成されているディスクへの負荷が高くなります。そのため、構成されているディスク容量が小さい場合、ディスク性能(IOPS)がネックとなり保管/復元時間が長くなる可能性があります。

Hybrid BACKUP

  • Hybrid BACKUPの保管/復元時間は圧縮無しより圧縮有りの方が、多少ですが遅くなるようです。

StoreSafe VTL for PowerVS(VTL)

  • FalconStore VTL は、稼働インスタンスのリソース要件が保管/復元時間に影響すると考えられます。
    Power上で稼働するため、保管/復元時間のパフォーマンスは、他のソリューションより良い結果となっています。
  • FalconStore VTLコンソールとして、Windows環境マシンが必要です。

バックアップソリューション比較

今回検証しました3製品について簡単にですが、以下の通りまとめました。

CS4i利用でのICOSへの保管とHybrid BACKUPは、小規模データ向きです。大容量データのバックアップを行う場合は、別途その運用について検討が必要と考えます。FalconStore VTLは価格面から考えても大容量データ向きであり、例えば複数インスタンス(区画)の統合バックアップなどに最適です。またFalconStore VTLへのバックアップでも、アクセス頻度の低いデータはICOSにアーカイブすることにより、利用料の軽減も可能になります。しかし単に金額だけで判断するのではなく、バックアップに関してその運用や管理、さらには現行業務アプリの変更有無などの影響などをトータルで検討し、お客様へのご提案や自社採用に最適なソリューションを選択して頂ければと思います。
例えば、対象のバックアップデータが少ない場合はICOS、既存のWindows Server系のディスクに余裕があるならHybrid BACKUP、大量データと既存の業務アプリケーションの変更はできるだけ少なくしたいならFalconStore VTL というような検討も考えられます。

おわりに

PowerVSはテープ媒体へのバックアップがサポートされていないため、今回IBM i での代表的なバックアップソリューションについて比較検証を行いました。 今回の結果がPowerVSでのバックアップ手法検討の参考となりましたら幸いです。

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