NEWS
IBM i 技術解説 IBM i 技術解説
2022.08.18
SHARE
  • twitter
  • facebook
  • hatena

IBM i 7.5 運用管理のモダナイゼーション – Navigator for i ご紹介

IBM i 7.5 運用管理のモダナイゼーション – Navigator for i ご紹介
IBM i 7.5 運用管理のモダナイゼーション – Navigator for i ご紹介

2022年8月2日

日本アイ・ビー・エム株式会社
IBM Power テクニカルセールス
児玉 尚子

IBM i の運用管理では、5250画面、グリーンスクリーンのみならず、モダナイズされたWebベース・ツールであるNavigator for iを使用することができます。このWebベース・ツールはIBM i 6.1からOS標準機能として、IBM i を管理するために提供されているため、IBM i の管理者は一度はアクセスされたことがあるのではないでしょうか。IBM i 6.1では、IBM Systems Director Navigator for iという名称で提供され、IBM i 7.1 TR 5以降では、IBM Navigator for i と名称が変わり、機能拡張がなされています。さらに2021年9月からIBM i 7.3以降ではグループPTF適用により、新しいIBM Navigator for iが利用可能です。

新しいIBM Navigator for iでは、操作性が向上され、複数区画のIBM iを管理、監視もしやすく機能拡張されています。新しいIBM Navigator i には、管理用の以下のタスク・カテゴリーが含まれています。

  • ホーム (ホーム・ページ、製品情報、お気に入りの管理、プロパティー)
  • 実行管理 (アクティブジョブ、サーバージョブ、ジョブ記述、サブシステム記述、アクティブサブシステム、アクティブ事前開始ジョブ、アクティブ JVM ジョブ、アクティブジョブキュー、出力キュー、メモリープール、メッセージキュー、印刷 )
  • 構成およびサービス (システム値、ソフトウェア、プログラム一時修正 (PTF)、 PTF グループ、ライセンス情報、 iSCSI )
  • システム(システム状況、システムオペレーターメッセージ、ヒストリーログ、ディスク状況、NVMe 装置、 SSD 状況、監視セッション、出口プログラム、 SQLサービス )
  • モニター (システム・モニター、メッセージ・モニター)
  • My Work (メッセージ、プリンター出力、 自分のジョブ)
  • ネットワーク (TCP/IP 構成、サーバー、ネットワーク属性など )
  • セキュリティ (セキュリティー構成情報、権限リスト、ネットワーク認証サービス、エンタープライズ識別マッピング(EIM) など )
  • ユーザーおよびグループ (ユーザー、作成ユーザー、グループ、グループの作成、ユーザーの権限収集の管理など)
  • パフォーマンス (データの調査、収集サービスの構成、グラフヒストリーの収集 – 要約、グラフ履歴の詳細など )
  • ファイル・システム (ファイル共用)
  • カスタム・チャート
  • ブックマーク
  • 保守性 (接続プロパティー、GUIログの表示、 GUIログの構成 )

新しいIBM Navigator for iでは、機能使用 ID を利用して、ユーザーがアクセスおよび使用できるカテゴリーの機能を管理者が制御できるようセキュリティ面での機能も提供されています。

新しいIBM Navigator for i の前提条件とログイン方法

前提条件:

新しいIBM Navigator for iを使用するには、IBM i 7.3以降で下記リンク先の前提ソフトウェア、前提PTFの適用が必要です。また、Webブラウザーが稼動することがPCの前提条件となります。サポート・ブラウザーの種類は、Mozilla Firefox、Google Chrome、Apple Safari、Microsoft Edgeです。

前提ソフトウェア/PTF:

前提ソフトウェア、前提PTFは下記リンク先をご参照ください。
https://www.ibm.com/support/pages/node/6485477
最新のPTF情報は下記リンク先をご参照ください。
https://www.ibm.com/support/pages/node/6486565

ログイン方法:

この新しい IBM Navigator for i は ADMIN1 サーバーの下で実行され、デフォルトでポート 2002 を listen します。新しい Navigator の URL は http://hostname:2002/Navigator です。 Webブラウザーから下記にアクセスするとログイン画面が表示されます。
http:// <ホスト名or IPアドレス>:2002/Navigator

IBM i ユーザープロファイルでログインします。

新しいIBM Navigator for i の機能紹介

ダッシュボード

ログインしますと、ダッシュボードが表示されます。ダッシュボードでは、システムが正常に稼働しているかどうか、ノード(区画)ごとにCPU使用率やディスク使用率が簡易的に表示されます。このノードを右クリックするか、このアイコン (アクション)をクリックしますと、アクションリストが表示されます。アクションリストの「ノードの管理」をクリックしますと、このシステムの詳細な運用管理が可能です。「新規ノードの追加」をクリックしますと、ダッシュボードにノード(区画)をさらに追加できます。

また、ダッシュボードは、タイルビュー(デフォルト)またはリストビューの2つの異なるレイアウトで表示できます。リストビューは、同じシステム情報を豊富なテーブル形式で提供します。各列には、監視または管理するシステムを簡単に識別できるようにするフィルターフィールドがあります。そのため、管理するシステムの数が多い場合、リストビューにした方が管理しやすくなると考えます。

このビューはユーザーごとにデフォルトのビューを設定できます。設定は、左側メニューの「保守容易性」、「接続プロパティ」から可能です。一般タブのウェルカム・ページで「 システム・ダッシュボード(タイルビュー)」、「システム・テーブル(リストビュー)」を選択して、「保管」しますと、次からログインした際に設定したビューで表示されます。

また、接続プロパティの「しきい値」タブでは、ダッシュボードで表示されるシステムASP(ディスク使用率)の状態の色の範囲を設定できます。

接続プロパティの「認証」タブでは、ノードに接続する際の認証方式を設定します。ここでは、ノードを切り替える際にログイン情報を求めるプロンプトを出すという設定にしています。

ダッシュボードのノードをダブルクリック、もしくは、アクションリストから「ノードの管理」をクリックしますと、そのノードのシステム管理が可能です。メイン画面にCPU使用率、システムASPの使用率のグラフが表示され、左側にタスクメニューが表示されます。

システムトレイ

画面下部に小さな灰色の矢印があります。この矢印をクリックしますと、システムトレイが展開し、すでに登録されたIBM iエンドポイントノードが表示されます。一番左の「新規ノードの追加」をクリックし、ここからシステムを追加することも可能です。

管理したいシステムをダブルクリックすると、システムの切り替えができます。表示されるページは切り替え前に選択していたタスクのページのまま、エンドポイントシステムからのデータを反映するように更新されます。 例えば、ノード「ibmi75」で「システム状況」のページを開くと、ノード 「ibmi75」のシステム状況が表示されます。 システムトレイからノード「demo00」をダブルクリックすると、「システム状況」のページは表示されたままになりますが、ノード「demo00」のデータが表示されます。
システムトレイを非表示にしましても、タイトル・バーの右上の領域でどのノードが表示されているかを判別できます。

機能使用ID

セキュリティの観点から、機能使用 ID を使用し、新しいIBM Navigator for iのユーザー機能を制御することができます。機能使用ID は、 タスク・カテゴリーを制御し、ユーザーがタスク・カテゴリーへのアクセスを拒否された場合、そのユーザーはカテゴリー下のどの機能領域にもアクセスできません。 新しい機能使用 ID は、次の表で定義されます。

機能使用 IDにユーザープロファイルを追加または削除するには、「セキュリティー」、「機能の使用」をクリックします。

制御する機能使用ID を選択し、右クリックして「変更」を選択します。

ユーザープロファイルを参照し、プロファイルを 追加 するか、アクセス許可 または アクセス拒否からプロファイルを 削除を選択します。

変更内容を保存するには、OKを選択します。

また、IBM Navigator for iでは、IBM i サービス(SQL で IBM i システム情報を参照できる機能)が使用されており、表示されるテーブルの右上の「SQL」のアイコンをクリックしますと。表示されているテーブルのデータを取得するSQLステートメントが表示されます。

このSQLステートメントをACSの「SQLスクリプトの実行」メニューや他の管理ツールから実行することで、同じデータを参照することも可能です。

新しいIBM Navigator for i の機能の一部をご紹介してきましたが、これら以外にもIBM i の運用管理に役立つ機能が組み込まれています。詳細については、下記参考リンクをご参照の上、ぜひモダナイズされたNavigator for i をご活用いただければと思います。

ご参考リンク:
IBM Navigator for i のマニュアル
https://www.ibm.com/docs/ja/i/7.5?topic=system-navigator-i

新しいIBM Navigator for iの資料(英語)
https://www.ibm.com/support/pages/node/6483299

新しいNavigator for iの解説とデモ(英語)
https://www.youtube.com/watch?v=iVgrD8CMj9Q

いいねと思ったらシェア
twitter
facebook
hatena
関連記事
IBM i 用の新しいODBCドライバー
IBM i 用の新しいODBCドライバー
使ってみよう!Rational Developer for i
使ってみよう!Rational Developer for i
Power10 プロセッサー搭載スケールアウトモデル登場
Power10 プロセッサー搭載スケールアウトモデル登場
あなたにオススメの連載
できるIBM i 温故知新編
7記事
できるIBM i 温故知新編
IBM i の”新”必須言語 〜FFRPG入門〜
14記事
IBM i の”新”必須言語 〜FFRPG入門〜
IBM i アプリの第二の柱 OSS
15記事
IBM i アプリの第二の柱 OSS
PAGE TOP