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2020.03.16
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使ってみよう!Rational Developer for i

使ってみよう!Rational Developer for i

iWorld読者の皆様は、自社アプリケーションの開発や修正の際にどんなツールをお使いですか?

この問いに対して、まだ多くのユーザーが「SEU」と回答するのではないだろうか?
iWorldでもフリーフォームRPGやOSSなどの新しい開発言語を紹介してきているが、こういった新しい言語を利用する際、機能拡張を終了したSEU/ ADTでは当然対応できない。
その場合、勿論ORIONやVisual Studioという選択肢もあるが、大本命はIBM製品であるRational Developer for i (RDi)ではないだろうか?

RPGやCOBOLなどのトラディショナルな言語とオープン系言語の両方に対応し、機能豊富なRDiを徹底解説。簡易マニュアル代わりにも使えるダウンロード資料とRDi 無償評価版を入手して、さっそくRDi を使ってみよう!

日本アイ・ビー・エム(株)
Power Systems テクニカル・セールス 
佐々木 幹雄

RDi(Rational Developer for i )とは

RDiはオープンソースのIDE(統合開発環境) EclipseにIBM i 開発用のプラグインを組み込んだIBM製品である。
Eclipse自体IBMが次期VisualAgeとして開発したコードを2001年にオープンソースへ寄贈したものである。

Java開発用IDEとしては長年高いシェアを維持している。
最新バージョンのRDi V9.6はEclipse4.6.3ベースで2017年11月16出荷開始である。(執筆時点でのマイナーリリース最新はV9.6.0.7で2020年2月6日ダウンロード開始)

RDiは従来3つのエディションが存在したがV9.6以降では以下の2つに集約されている。

  • RDi RPG and COBOL Tools :
    主に5250環境からの移行、IBM i 用アプリケーション開発に特化した機能限定版
  • RDi Modernization Tools, Java dition :
    上記に加えHATS、や一般的なJava開発ツールを加えた上位エディション 
※ RDi V9.5まで提供されていたRDi Modernization Tools, EGL Edition はV9.6では提供されなくなった。

また、すべてのRDiエディションにIBM Data Studio 4.1.2が同梱される。IBM Data Studioは主にシステム管理者向けデータベース管理ツールである。
ただしEclipse4.6用にアップデートされていないため、RDi のEclipseとのシェル共用は不可である。(RDi V9.6と別個に導入が必要)図1はRDiのパッケージング内容である。

RDiのパッケージング
▲図1. RDiのパッケージング

Eclipseベースの統合開発環境にIBM i 開発機能として以下をプラグイン追加している

  • RSE(リモートシステムエクスプローラー)
    5250開発環境のADTをGUI移植したもの
  • i プロジェクト
    オープン系と同様なDevOps開発環境を構築できるパースペクティブ
  • HATS(業務実行には別途HATSサーバーライセンスが必要)
    5250をWEBでラッピングしGUI化する歴史と実績のあるツール
  • EGL(業務実行には別ライセンスが必要)
    生産性の非常に高い開発言語環境だが、V9.6~バンドルされなくなった

従来の5250環境以来のAS/400開発者視点でのRDiの価値は以下である。

  • Eclipse上で5250環境と同様なコマンド操作で開発できる親和性
  • 5250よりも生産性の高い開発環境を提供。5250では不可能なDevOps対応を可能にする。
  • 既存5250資産の開発・修正も可能な移行容易性・互換性
補足となるが、IBM iの開発ツールで5250環境ベースのもの(ADTに含まれるPDM,SEU,SDA,RLUなど)はIBM i 6.1で開発終了しており、IBM I 7.1以降の追加機能をサポートしていない。

IBM i開発になじみのないオープン系開発者視点でのRDiの価値は以下である。

  • 操作に習熟したEclipse上でRPGやCOBOL、CLP、Javaなどの言語でIBM i 開発ができる
  • オープン系ではなじみのない5250開発環境を不要にできIBM i の固有性を排除できる。
    またFF RPGであればJava, VB.NETと類似性の高いコーディングが可能でプログラミングのハードルをさらに下げることができる。

また、両者に共通の価値としては以下がある。

  • IBM i以外も含めてアプリケーション開発ツールを一本化できる
  • EclipseをベースにIBM iを含めてDevOps環境を構築できる。
    RTC(Rational Team Concert)やGitHubなどと組み合わせオープン系と共通でバージョン管理、ビルド管理を構築できる
以上を実現するためにRDiでは以下の二種類のパースペクティブを提供している。(図2)

RDiのIBM i アプリケーション開発スタイル
▲図2. RDiのIBM i アプリケーション開発スタイル

RSEパースペクティブ 5250開発者のための開発環境

5250開発環境(SEU,PDMなど)をEclipseに移植したパースペクティブ。
5250に習熟した開発者が直ちにEclipse上で開発可能とすることを目的に開発。
V9.6ではPDMパースペクティブという5250 PDM開発環境をそのままエミュレートした環境も新たに追加された。(図3)

PDMパースペクティブ
▲図3. PDMパースペクティブ

iプロジェクトパースペクティブ オープン系開発者のための開発環境

Eclipse本来の開発スタイルを踏襲したパースペクティブにIBM iのRPGやCOBOL、CLPなどの開発機能を拡張した環境。
ツール操作性はEclipseの操作そのもので、さらに5250やRSEではソース物理ファイルというIBM i独自のプログラムソース格納用ファイルが前提となるが、iプロジェクトではテキストファイルにソース記述できる。
将来的にDevOps対応できるのもこの開発環境である。Eclipseベースである一例としてデバッグ画面のサンプルを掲載する(図4)

RDiデバッグ画面
▲図4. RDiデバッグ画面

一般のEclipseに習熟した方にはEclipseのデバッガーそのものであることがお分かりいただけると思う。
また、IBM i開発者であれば5250の対話型デバッガーよりも操作性・生産性で優れているかもしれない、と感じられるのではないだろうか。

以上のようにRDiは5250開発者もオープン系開発者も共通で使用できる開発環境となっている。
60日間の無償評価版もダウンロードできる(詳細は説明PDF中に記載)のでぜひ試していただきたい。

この他細かな機能や画面遷移を開設した操作ガイドがダウンロードできます。こちらをクリック
導入ガイドは(v9.5版)はこちらからダウンロードできます。こちらをクリック

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