IBM i ビジネスを統括する2人のキーマンに聞く待ったなしのデジタル変革にどう向かうか | IBM i 総合情報サイト

IBM i ビジネスを統括する2人のキーマンに聞く
待ったなしのデジタル変革にどう向かうか


多くの企業で新しい行動様式(ニューノーマル)に対応したビジネスモデルの転換や働き方改革が急務となっています
昨今の環境変化に対応して業績を回復し、持続的成長に向けて歩み始めるのか――。その取り組みを後押し、今後のデジタルトランスフォーメーション(DX)への重要な役割を担っていくIBM iについて、日本IBM サーバー・システム事業部長 理事の黒川亮氏とIBM i 統括部長の久野朗氏にお話を伺いました。

写真左
日本アイ・ビー・エム株式会社
システム事業本部 IBM i 統括部長
久野 朗 氏
写真右
日本アイ・ビー・エム株式会社
システム事業本部 サーバー・システム事業部長
理事
黒川 亮 氏

IBM iユーザーはビジネスの新常態にいち早く順応
投資意欲もしっかり回復してきた

――IBM iを取り巻く環境が大きく変化していることを、私どもも肌身で感じています。実際にこのビジネスを統括されている黒川様、久野様は、お客様や市場の新しい動きをどのように捉えておられますか。

黒川氏 現在、新型コロナウイルスの感染拡大に多くの企業が影響を受け、これまでのようにオフィスに出社できず、顧客先にも訪問できない、社員同士も対面できないという状況にありますが、一部のお客様からは「この4~6月期ほど、これまでなかなか進まなかった働き方改革が進んだ時期はない」という声も聞こえてきます。
単にオンラインで社員間のコミュニケーションをとれればいいといった話ではなく、在宅ワークに移行した社員の業務生産性を落とさないようにITでどう支援するのか、社外で利用される機密データのセキュリティーをどう守るのかといったことまで真剣な議論がなされたのが、まさにこの4~6月期ではないでしょうか。
私の肌感覚ではありますが、特にIBM iおよびIBM Power Systemsをご利用いただいているお客様は、そうしたビジネスの新常態にいち早く順応されているようです。
これを裏付けるようにIBM iのビジネスはパートナーの皆様共々、7~9月期に関して対前年比に見劣りしない順調な伸びを見せています。お客様の投資意欲はしっかり回復してきたというのが私どもの実感です。

久野氏 いろいろな見方がありますが、コロナ禍を経てビジネスの新常態や働き方改革に向かう中で、あらためてITプラットフォームの堅牢性やセキュリティーが重視されるようになり、IBM iおよびIBM Power Systemsの価値が再認識されているようです。
ご存知のとおりIBM iは「ハッキングされないOS」として高いご評価をいただいていますが、多くの社員が在宅ワークに移行した現在、組織内部からの情報漏えいリスクへの対策も強化しなければなりません。そうした中で最新のIBM i 7.4へバージョンアップしようという動きも活発化しています。

――具体的にIBM i 7.4のどんな機能が注目されているのでしょうか。

久野氏 まずセキュリティーに関してIBM i 7.4は、アクセス権のコントロールを大幅に強化しています。これによりユーザーがアクセスする特定のオブジェクトに関する権限情報を収集することが可能となりました。また、IBM iを中心に従来から追求してきた「水平統合」をさらに強化するという観点から、クラウドや周辺システムとの連携を強化するデータベースへのAPI接続や、モバイル機能なども新たに実装しています。
ビジネスの新常態や社員の皆様の働き方改革に対応していく上で、やはりこれらの機能に対する関心が高まっています。

――あくまでも結果論なのかもしれませんが、IBMがロードマップを示して一貫して進化を図ってきたIBM iの機能の数々が、After/Withコロナの世界のニューノーマルと上手くフィットしたことは確かなようですね。

オンプレミスか、クラウドかといった議論は意味をなさない

――私どもIBMビジネスパートナーとしては、お話をいただいたような機能面を推しつつ、これまでオンプレミス中心にIBM iおよびIBM Power Systemsをお客様にご提案してきました。ところが最近は、IBM Power Systems Virtual Serverといったクラウドプラットフォームのお問い合わせが急増しています。多くのお客様のすう勢として、やはりクラウド化に向かっていると考えたほうがよいのでしょうか。

黒川氏 私自身3月までクラウドの部門にいましたが、お客様が必ずしも全てをクラウドを前提とされているわけではありません。むしろオンプレミスか、クラウドかという議論があまり意味をなさなくなっているような気がします。
先ほど久野からも「水平統合」という言葉がありましたが、オンプレミスで運用しているIBM iとコグニティブ機能を提供するWatson APIなど多彩なクラウドサービスとつなぎ、連携させるというユースケースが広がっています。そうした新たなつながり先の1つとしてクラウドにIBM Power Systems Virtual Serverが加わったと考えていただければと思います。

久野氏 結局、何を重視するかはお客様によって異なりますので、IBMとしてもオンプレミスなのか、クラウドなのか、あるいはハイブリッドクラウドなのかという形ありきの提案をすることはありません。ディストリビューターやビジネスパートナーの皆様と一緒になって、お客様の課題に寄り添った最適解を提案していきます。

黒川氏 一方で少子高齢化が進み、慢性的な人手不足に陥っている日本企業において、システム運用やメンテナンスを担当する人材が減少しているのも事実です。そうした中での選択肢の1つとして、IBMはIBM Cloudを提供しています。これまでオンプレミスでIBM Power Systemsを利用してきたお客様が、そのITリソースをIBM Cloud上に導入・統合されたIBM Power Systems Virtual Serverに拡張し、IBM iのワークロードを実行できるようになったのは大きな前進です。
実はIBM Power Systems Virtual Serverというサービス名称にもこだわりがあり、あえてIBM Cloud Power Systemsとは名付けませんでした。お客様がオンプレミスで享受してきたメリットを損なうことなく、仮想環境としてどこでも利用できるようにするというIBMの基本スタンスを示したものとなっています。

アプリケーションを連続的に利用しながらモダナイズを図る

――なるほど。オンプレミスか、クラウドかといった二者択一ではなく、あくまでも適材適所でプラットフォームを選択することが重要なのですね。また、その選択を柔軟かつ自然な形で行える時代になってきたことがよくわかりました。
その意味でさらに深掘りして伺いたいのですが、プラットフォームがどこに移ったとしても変わることのない、IBM iの普遍的な価値とはどのようなものでしょうか。

久野氏 いくつかありますが、まずは「運用の手間がかからない」ことです。昔からEase of Useと言ってきたように、運用に費やすワークロードが非常に少なくて済みます。
そして2点目として強調したいのが「後方互換性」です。いつの時代に作られたRPGのプログラム、COBOLのプログラム、C++のプログラムであろうと、最新のOS上でそのまま動きます。要するにアプリケーションを継続的に利用しながら拡張し、モダナイズを図ることができるのがIBM iの特長です。

――新しいビジネス戦略やサービスを迅速に展開していかなければならないのに、アプリケーション資産の移行にばかり工数をとられていたのでは身動きがとれなくなってしまいます。IBM iではそんな弊害は無用というわけですね。

久野氏 おっしゃるとおりです。モダナイズという観点からもう1つ付け加えると、IBM iには新しいテクノロジーを実装する際の容易性、迅速性、コストの安さといったメリットもあります。例えば既存のアプリケーションをモバイル化する場合、通常はモバイル開発・運用基盤となるミドルウェアを新たに導入し、その仕様にあわせてアプリケーションを改修しなければなりません。これに対してIBM iはそのOS自体にモバイル機能が含まれているため、簡単なコマンドを入力して設定変更するだけで既存のアプリケーションがモバイルアプリに変わります。
IBM i上に蓄積されたデータを分析する場合も同様です。IBM Db2 Web Query などのBIツールをインストールするだけで、経営層からマネジメント層、ビジネス現場にいたるまで、あらゆるユーザーがタブレットなどのモバイル端末を使ってダッシュボードを含めたGUI環境でデータ分析を行うことができます。別途データウェアハウスを用意してETLツールでデータを転送するといった複雑な基盤を構築する必要はありません。

黒川氏 こうしたIBM iのモダナイズへの対応力は、お客様がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していく上での核心的なポイントとなります。
ディスラプターと呼ばれる新興企業の攻勢に対抗して伝統的な企業が持続的成長を遂げていくためには、彼らと同じようにデジタルを駆使した新しいビジネスモデルやサービスを戦略的に展開していく必要があります。その際に自分たちがもともと持っている強みをいかに発揮できるか――。IBM iの中にすでに蓄積されている業務ロジックやデータをフルに活用することが、一番の早道となります。

システムのモダナイズやDXに役立つ具体的な機能を紹介

――IBM iを活用したニューノーマルへの対応、そしてDXを見据えたモダナイズにいたるまで、とても力強いメッセージをいただきました。11月12日に開催されるバーチャル・イベント「IBM i World : iEVO 2020」でも、さらに有意義なお話を伺えそうですね。できればIBMセッションの見どころ、聴きどころをご紹介いただければ幸いです。

久野氏 今回もIBM Corporation IBM i チーフ・アーキテクトのスティーブ・ウィルが登壇する予定です。ご存じのとおりスティーブはIBM System/38の時代からIBM iのプラットフォーム開発に携わってきたメンバーであり、その長年の経験に裏付けられた知見を生かしつつ新しいテクノロジー開発を牽引しています。そしてスティーブ自身が世界中のお客様と直接対話を重ねる中で受け止めてきた、さまざまなご意見やご要望を反映させたIBM iの最新戦略や新機能についてお話しさせていただきます。
また私たち二人も登壇し、これからIBM i上のシステムのモダナイズやDXに向かうお客様にとって、必ずお役に立つ具体的な機能ならびにその活用ポイントなどを紹介させていただきますので、どうかご期待ください。

黒川氏 久野が申しましたとおり日本企業のデジタル変革に向けては、IBM iの最新機能の価値をより多くのお客様に知っていただき、活用していただけるかが1つの勝負どころとなります。今回のイベントが開催される頃には、おそらくIBM Power Systems Virtual ServerをIBM Cloudの東京リージョンから提供する準備も整っており、IBM iが指向する水平統合の世界観をより詳しくご紹介したいと思います。

――本日は貴重なお話をありがとうございました。引き続きイベントでのご講演を楽しみにしております。

お二人が登場するイベント「iEVO 2020」の詳細はこちら
https://www.i-guazu.co.jp/ievo/

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