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2018.09.28
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「iSUC」をリニューアルした新生「User & IBM NEXT 2018」
IBMやベンダーが協力し、あらゆる参加者に価値あるイベントへ

「iSUC」をリニューアルした新生「User & IBM NEXT 2018」</br>IBMやベンダーが協力し、あらゆる参加者に価値あるイベントへ
28年の歴史を誇るユーザー主体のイベント「iSUC」がリニューアルし、「User & IBM NEXT 2018」として新たなスタートを切る。ユーザー、IBM、ソリューションベンダーを含む、あらゆる参加者に高い価値をもたらすイベントとして大きく進化した。11月7日から3日間の予定で開催されるNEXTの概要と、リニューアルの背景や狙いについて、改革を担うキーマンの方々にお話を聞いた。

<お話を伺った人>

User & IBM NEXT 2018 実行委員会 実行委員長 株式会社京王ITソリューションズ 取締役社長 後藤 順滋 氏 User & IBM NEXT 2018 実行委員会 事務局長 株式会社エス・ディー・シー システム東京 係長 遠藤 正樹 氏 日本アイ・ビー・エム株式会社 システムズ・ハードウェア事業本部 Cognitive Systems事業開発 IBM i統括部 ビジネス・ディベロップメント 下野 皓平 氏  

ユーザー間の交流という原点に立ち返る

――今回のリニューアルは大きな決断だったと思います。なぜ今年だったのかを含め、その背景や思いなどについてお聞かせください。 User & IBM NEXT 2018 実行委員会 実行委員長 株式会社京王ITソリューションズ 取締役社長 後藤 順滋 氏 後藤 リニューアルの必要性については大会参加者の減少が続いた数年前から議論されていたのですが、第27回iSUC新潟大会を機に実行委員会から継続困難の声が上がり、理事会で検討委員会を組織し、iSUCに関する議論が始まりました。iSUCの存在意義を問う厳しい意見や、5月の「IBMユーザー・シンポジウム」と合体させた方がいいのではないかといった議論もありました。その結果、やはりiSUCのような場は必要であるという結論になり、内容を大きくリニューアルして継続することになりました。この方針が昨年11月の理事会で最終決定され、詳細は新たに組織される実行委員会に任されることになり、その委員長に私が推されました。リニューアルの目標は参加者を増やすことであり、そのための大きなテーマは2つありました。参加費をできる限り下げるという課題と、その方法論として会期を短縮すべきかどうかの検討です。 参加費の問題に関しては、運営コストとの兼ね合いがあります。コストはできる限り切り詰めますが、それだけでは参加費を大きく下げることはできません。企業の協賛や参加をさらに増やすことが求められます。議論の末、私たちはiSUCがこれまで禁止してきた、イベント会場での営業活動を解禁することにしました。これは大きな決断だったわけですが、その理由をご理解いただくには、iSUCの成り立ちをご説明しなければなりません。一般的に、企業製品のユーザー会というのは、メーカーの営業活動の一環として運営されるのが普通です。しかし、iSUCの場合は、ユーザー側の自立した意思によって発足し、ユーザー同士が互いに忌憚なく意見を交わせる場として発展してきました。このため、イベント会場での営業的な活動は、原則禁止としてきたのですが、そこには切磋琢磨する相手としてのIBMが存在していました。その姿が見えにくくなった原因の一つに営業活動の禁止を謳った信義則にもあると考え緩和することで、ユーザーだけでなく、IBMやパートナー企業にとっても価値のあるイベント作りを目指す方向に大きく舵を切りました。今年からは、関係各社に最新の技術をアピールしていただいたり、新しいソリューションの情報を提供して欲しいとお声がけしています。今年はちょうどIBM iが30周年の節目にあたるため、IBMには積極的にご協力をいただいています。 遠藤 もう一つのテーマである会期の短縮についてですが、最初は3日間の会期を2日間に圧縮して会場使用コストを削減する方向で議論がスタートしました。従来のiSUCは、水曜日の昼からスタートし、金曜日の昼にクロージングする3日間のスケジュールでしたが、それを木曜日と金曜日だけに圧縮しようというわけです。となると、スケジュールはどうしても木曜日の朝一番から金曜日の夜までという形にならざるを得ません。 しかし、今回の開催地は北海道の札幌市です。木曜日の朝からスタートするとなれば、北海道以外から来られる方のほとんどは、その前日から現地に入られるでしょう。多くの参加者がせっかく水曜日から現地にいらしているのに、水曜日に何もしないのではもったいないという話になりました。検討を重ねた結果、水曜日の夕方からスタートし、金曜日の早めの時間帯まで、というスケジュールが会場利用期間を一日削減でき、最も理に適っているという結論に達しました。     ――従来のiSUCの内容を見ると、初日に基調講演とパーティー、2日目にセッションがあり、3日目は来場者がやや減りやすい印象がありましたが、それを大きく変革したようですね。 User & IBM NEXT 2018 実行委員会 事務局長 株式会社エス・ディー・シー システム東京 係長 遠藤 正樹 氏 遠藤 はい。これまでのiSUCは、水曜日の昼からオープニングと基調講演があり、セッションを2つくらい終えてから、iES(Information Exchange Session:情報交換会)に入ります。2日目は朝からセッションが続き、夜は開催地区のユーザー研究会と共同で実施する交流会。3日目はセッションを2つほど実施し、昼で終了というスケジュールでした。 iSUCからNEXTへリニューアルするにあたり、私たちはこのイベントの原点を見直しました。この催しの原点とは、ユーザー間の交流です。NEXTというイベントが生み出すべき最大の価値とは、普段会えないユーザー同士が顔を合わせ、率直に情報交換できる場を提供することなのです。 そのコンセプトに基づいて従来のiSUCを見直すと、交流と言えるものは、初日のiESと2日目の交流会しかありませんでした。人気の高い「ワイワイセッション」や「白熱教室」などでも活発な議論が交わされますが、規模としては20~30人と限られています。 そこで、今年から始まるNEXTでは、初日を交流の場のメインと位置づけ、様々な企画を集めました。「フォーラム」、「アイデアソン」、「U研倶楽部」などです。初日はユーザー間の交流をメインとし、セッションは2日目からという形に整理しました。 2日目は貴重な情報を得られるセッションがメインとなります。今年は大きなテーマごとに会場を割り当て、わかりやすさを重視しました。例えば、ある会場に朝から晩までいれば、IBM iに関する情報がふんだんに得られます。 また、昨年のiSUC別府大会では、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング(ISE)さんによる体験型展示「ISE Showroom」がとても好評だったので、今年は展示だけでなくセッションのテーマを1つ丸ごと担当していただきます。また、「Watson & Cloud」というテーマによるハンズオンもあります。IT系やJGS系のセッションもあります。もちろん、iSUCの時代から人気のあった聴講型のセッションもたくさんあります。大きなテーマごとに部屋を割り当て、興味のあるテーマを追求しやすくしました。 3日目もセッションが続きますが、従来は初日に開催していた基調講演を、この日の午後に特別講演として実施することにしました。北海道にゆかりのある十勝バス株式会社の野村社長にご講演いただけることになりましたので、詳細は是非大会HPをご確認ください。    

ユーザー・シンポジウムとNEXTの2本立ては今後も継続

――5月に開催しているユーザー・シンポジウムとNEXTは、今後も別のイベントとして運営されていくお考えでしょうか。 後藤 iSUCからNEXTへの議論の過程で、5月に開催しているIBMユーザー・シンポジウムとの合併案も確かに浮上しました。しかし、シンポジウムは研究会が主体となってユーザーに論文を上梓していただき、優秀な論文を発表するという主旨なのに対し、iSUCは会員企業の技術者が一堂に会した研鑽と交流の場ですので、2つのイベントは性格が大きく異なります。合併させても、メリットは少ないという結論に達しました。 ただ、このような議論を通して、私たちは改めてiSUCが持つ本来の意味を再確認することができました。歴史を刻んできたiSUCという名称は、「Intermediate Systems Users Conference(中小型システムユーザーコンファレンス)」から「IBM System Users Conference」と意味合いを変えてきました。この名称をNEXTと改めるにあたり、私たちは「NEXT 2018」の前に「User & IBM」という文字を入れました。「IBM & User」ではない点がポイントです。5月のシンポジウムが「IBMユーザー・シンポジウム」なのに対して、こちらはUser & IBM、つまりIBMのユーザー会という意味ではなく、ユーザーとIBMが一緒になって次の時代を目指す会、という意味が込められています。イベントの内容は時代に合わせて変革しますが、ユーザー主体でこれだけの規模で、これほど長く続いているイベントは、世界的に見ても貴重だと思っています。    

IBMやベンダーが全面的に協力

――IBM iが今年30周年ということで、IBMの方でも本イベントを積極的に盛り上げようとなさっているというお話がありました。その狙いや概要について教えてください。 日本アイ・ビー・エム株式会社 システムズ・ハードウェア事業本部 Cognitive Systems事業開発 IBM i統括部 ビジネス・ディベロップメント 下野 皓平 氏 下野 11月の第2週を「IBM i NEXT Week」と位置づけ、IBM iに関する様々な情報を発信します。11月6日にIBM i NEXTを東京で開催し、User & IBM NEXT 2018においても、IBM i のコンテンツ盛りだくさんで開催いたします。 テーマの一つ目が、AI、クラウド、モバイルなどの新しいテクノロジーとの連携です。AIやクラウドを導入する際に、真に業務を変革するためには、基幹システムのプログラムやデータと連携することが必須であり、IBM i なら簡単に連携を実現できます。今年の7月に開催したIBM i World 2018に続き今回のIBM i NEXT Weekにおいても、お客様講演や弊社のセッションを通して、最先端事例をご紹介いたします。 そして、もう一つのテーマとして、「付加価値のないバージョン・アップ地獄からの脱出」をテーマにセッションを準備しています。JavaやWindows上で稼働するプログラムの度重なるバージョンアップに多大な開発工数をかけられている企業に、IBM iが最適解となることをお伝えいたします。 まず、11月6日の火曜日は東京の本社事業所で米国の開発責任者によるセッションとユーザー事例に関する講演をおこないます。これは、主に経営者や企画者向けの内容と考えています。翌水曜日から始まるNEXTのイベント内では、より深く情報を提供させていただき、ハンズオン、個別相談会、若手向けの交流セッションなど、盛りだくさんな企画を予定しています。 まず1つ目が、お客様による事例講演です。立命館大学様、株式会社ブレーンスタッフコンサルタンツ様に加え、ユーザー研究会会員様のセッションが開催されます。 2つ目が、IBM i の主要ソリューションが一箇所に集まる IBM i  30特別ブース と 講演です。国内外から様々なIBM i ソリューション企業が参加し、最新情報を提供します。あらゆるIBM i の情報が集まります。 3つ目がIBM i 世界の事例 と 最新技術情報をお届けするIBM i 開発責任者による講演です。IBM CorporationよりIBM i の開発責任者スティーブ・ウイル、Db2 for i 開発リーダーのダグ・マックが登壇し、次の時代に向けたIBM i 開発方針や海外事例をご紹介します。参加者からの質問にお答えするセッションも予定しております。 4つ目がIBM i  ハンズオン・ルームです。最新開発ツールやIBM i 上で稼動するNODE-REDなど、ハンズオンで、実践スキルを習得いただけます。 5つ目がIBM i データ活用個別相談会です。IBMの技術者がデータ活用の課題をヒアリングし、その場で最適案をご提案いたします。 6つ目がISE Showroomです。IBM i はWatsonなど、様々なAI/クラウドと連携することができます。Watsonの最新情報も収集いただけます。 7つ目がPOWER9 マシン展示です。AI基盤としても採用の進むPOWER9。爆速基盤を支えるハードウェア・テクノロジーを体感ください。 8つ目が「【20代、30代の方限定!】IBM i に関わる若手技術者 & 営業/スタッフ、全員集合!」セッションです。参加者でグループをつくり、IBM i の技術習得や情報収集における日々の工夫や悩みや共有していただきます。IBM i を軸に次の未来にともにチャレンジする仲間を増やしていただきたいと思います。 このように、IBM i の情報盛りだくさんで、イベントを開催いたします。次の時代のIBM i の活用に向けて、多くの方にこのイベントにご参加いただきたいと思います。

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iSUCからNEXTへ生まれ変わり、今年はIBMやソリューションベンダーさんが今まで以上に積極的に関与されているのですね。お話を聞いて、ますます楽しみになってきました。本日はどうもありがとうございました。
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