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2019.01.11
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IBMiのあらゆる資産を生かして 
利益創出型ITへの道を切り開く「POWER iAP on i」

IBMiのあらゆる資産を生かして </br>利益創出型ITへの道を切り開く「POWER iAP on i」
企業のIT活用が変化しています。基幹システム中心の「運用のIT」に加えて、新たに人工知能やIoT(モノのインターネット)の活用などを含む「利益創出型のIT」が求められるようになりました。多くのIBMiユーザーが、既存のIT資産を生かして「利益創出型のIT」を実現する道を模索しています。そうした要望に応えるため、ゼネラル・ビジネス・サービス株式会社(GBS)は、「POWER iAP on i」を開発しました。現在のIBMiのシステムをそのまま利用して、無理なく「利益創出型のIT」を統合できる画期的なプラットフォームです。ハードウェアやデータ、ノウハウ、人材などの資産を有効活用し、最小限の投資で次世代コンピューティングへの道を切り開くことができます。IBMのソリューション・プロバイダーとして創立25周年を迎えた同社に、「POWER iAP on i」の特徴や活用事例などについて聞きました。 <お話を伺った人>
  • ゼネラル・ビジネス・サービス株式会社
    執行役員 技術開発本部長
    平野 公成 氏
  • ゼネラル・ビジネス・サービス株式会社
    ソリューション事業部 担当部長
    水垣 英俊 氏
  • ゼネラル・ビジネス・サービス株式会社
    経営企画室 担当部長
    富山 嘉文 氏

「運用のIT」から「利益創出型のIT」へ

近年、企業の情報システム部に期待されるITの役割が大きく変化しています。「運用のIT」から「利益創出型のIT」への革新です。インフラ基盤のクラウド化が進む中で、これまで中心的な役割だった運用保守の重要性が次第に薄れ、人工知能やIoTなど、ビジネスを促進し、利益を創出するためのITが求められるようになっているのです。 IBMは、このような「利益創出型のIT」を「SoE(System of Engagement)」と呼び、ガバナンスを支える業務基幹システムを「SoR(System of Record)」と呼んで区別しています。 企業のガバナンスを支援するために発展してきたSoRは、経理、営業、人事など、堅牢性や正確性が求められるIT領域です(図1)。一般的に、システムの改善や変更には慎重であり、確定した変更を計画的に進めていきます。GBSのお客様の多くは、このSoRの領域をIBMiによって構築してきました。 その一方で、SoEはアジャイル開発に象徴されるように、経営が方向性を定めたビジネスに合わせてすぐにシステムを作り、運用しながら、トライアンドエラーによって完成度を高めます。SoRとは対照的に、SoEではアイデアをすばやく実行できるスピード感と柔軟性、拡張性などが重視されます。今後の企業経営には、SoRとSoEの両方が求められていくことになります。 図1:SoRとSoEの主な特徴とその比較  

「POWER iAP on i」が新しいソリューションを提供

これまでIBMiによってSoRのシステムを構築、運用してきた企業の多くは、新たにSoEという課題に直面し、これをどう実現すべきか悩んでいます。というのは、SoRのために進化してきた堅牢なIBMiは、そのままではSoEのような柔軟性の高いIT領域に向かないと思われがちなためです。 悩んだあげく、SoE向けに全く新しいプラットフォームを導入し、IBMiと併用しようとする企業も少なくありません。しかし、それは果たして有効な施策となるのでしょうか。IBMiを管理してきた担当者が、急にオープン系の仮想環境に対応できるかどうかは疑問ですし、IBMiで蓄積してきたデータやノウハウなどの資産はどうなるのか、また、既存のシステムとの整合性はどうなるのかといった、様々な課題が生じます。 GBSはこの問題を解決するため、「POWER iAP on i」を開発しました。IBMiで稼働しているSoRの仕組みと資産をそのまま活用し、そこに新たにSoEの仕組みを実装できる、画期的なソリューションです。  

SoRSoEをオールインワンで実現

「POWER iAP on i」は、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートのintra-martをIBMi上で運用可能にするプラットフォームです。 intra-martは、SoEを支えるワークフローエンジンとして、すでに6000社を超える導入実績があります。通常、intra-martを稼働させるには、アプリケーションサーバーやデータサーバー、バックアップサーバーなど、複数のサーバーを立ち上げる必要があります。 しかし、GBSが開発した「POWER iAP on i」を導入すれば、基幹システムを運用しているIBM i 1台だけでintra-martを稼働させることができるのです(図2)。 図2の青い点線で囲われた部分は、これまでIBMiが基幹システムとして支援してきたSoRの領域です。販売、購買、在庫、生産、物流、会計、人事支援などの領域は、IBMiが得意としてきた分野であり、今後も現在の仕組みをそのまま利用します。 そこに「POWER iAP on i」を導入すると、図2のオレンジ色の点線で囲われたSoEの領域を、同じ1台のマシン上にオールインワンで実装できます。 SoRとSoEを1台のマシンで運用できることは、IBMiのユーザーに数々のメリットをもたらします。 まず、既存のハードウェア資産を変えることなく、そのまま生かしてSoEを構築できます。 また、IBMiを運用してきた担当者が、無理なくSoEの領域をカバーできるようになります。IBMiに蓄積してきたデータ資産やノウハウも、すべてSoEのために活用できます。加えて、基本的なシステムを1台のIBMiに集約して運用できることは、システムのバックアップやセキュリティの管理を確実かつ容易にしてくれるのです。新たな設備投資を最小限に抑えながら、システムを大きく進化させ、多大なメリットを享受できる施策と言えるでしょう。 図2に見られるように、必要に応じてクラウドや外部のサービスを利用することもできます。「POWER iAP on i」が提供するプラットフォームを導入すれば、IBMiを最大限に活用しつつ、柔軟性の高いシステム設計が可能になります。 図2:「POWER iAP on i」がIBMiをベースに拡大する企業のIT活用  

データの可視化で営業を支援

intra-martは、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)、ロボットによる業務の自動化(RPA)、人工知能やIoT などを含む、あらゆるITトレンドに対応しています。このintra-martが「POWER iAP on i」によってIBMiへ実装可能となり、IBMiユーザーは最新のトレンドにすばやく対応できるようになるだけでなく、将来登場する未知のテクノロジーに対応するための基盤を手に入れることができるようになりました。 「POWER iAP on i」の大きなメリットは、基幹システムとして運用してきたIBMiに直接SoEを統合できることです。そのため、IBMiに蓄積されている過去の業務データを容易に活用し、IoTなどと組み合わせた新しいアプリケーションを構築しやすくなります。 例えば、プラントや水処理などの設備系の企業であれば、客先の設備にセンサーなどのIoTデバイスを設置し、設備の稼働状況や資材の消費状況などをリアルタイムに監視すると同時に、過去の販売実績やメンテナンス履歴などの業務データを参照し、客先ごとにカスタマイズされた丁寧な対応を検討できるアプリケーションを容易に構築できます。 これにより、薬品や資材などが枯渇する前に補充を提案したり、設備が故障する前にメンテナンスを提案したりするなどの能動的なアプローチが可能になり、営業効率の飛躍的な向上が期待できます。  

ワークフローをペーパーレス化し、e-文書法に対応

ペーパーレス化のために、導入を図る企業もあります。 ある企業には、IBMiによって30年以上稼働させてきた基幹システムがあります。そこに「POWER iAP on i」を導入してintra-martを実装し、SoEの領域で業務のワークフローを支援できる新しいアプリケーションを開発しました。取引先からの請求書や基本契約書などを含む非定型な文書を、業務のワークフローと紐づけて管理できる仕組みです。 文書のデータは、従来と全く同じフローでIBMiに入力されます。従来と異なる点は、データを入力した時点から、データがワークフローに従って必要な担当者に自動的に流れていくことです。 例えば、IBMiで請求書を発行すると、承認が必要な担当者に文書データが回覧され、電子的な承認を順次得ていきます。全員の承認が得られると、社判の入った正式な請求書がPDFで発行される仕組みです。 また、例えば請求書の承認時には、納品伝票や検収印の入った確認書類など、紙の証拠書類に目を通す必要があります。これも、現場の担当者が機械でスキャンするだけで、データは自動的にIBMiに格納され、承認のワークフローと紐づけて管理されます。承認者は、いつでもこのデータをオンラインで呼び出し、確認できるのです。承認作業をオンラインで完結できるようになったため、外出先での承認も可能になりました。 売上や経費など、企業活動の中で何かを計上する際には、必ず誰かの承認が必要になります。 計上の作業自体はこれまで通り、基幹システムで運用していきますが、今後は、そこに原本のスキャンデータや、承認者と承認日時などの情報がワークフローと紐づけて管理され、自動化されるのです。この仕組みは、国税庁の電子帳簿保存法にも適合しています。 同社のケースでは、電子署名に必要な第三者機関によるタイムスタンプなど、必要となる外部サービスを柔軟に取り入れていますが、基本的な仕組みはすべて1台のIBMiで実現しています。 こうした非定型な文書の管理やワークフローは、本来、IBMiが苦手としてきた分野です。これまでは、IBMiのユーザーでも、ペーパーレス化に取り組もうとすると、オープン系のシステムを新たに導入しようとする企業が少なくありませんでした。 しかし、「POWER iAP on i」の登場によって、その状況は一変します。「POWER iAP on i」を活用すれば、既存のIBMiにSoEの領域を構築し、ワークフローの自動化とペーパーレス化を同時に実現できるのです。  

これまでのIT資産を生かして将来への道を開く

GBSが、SoEのプラットフォームとしてIBMiを選択した別の理由には、IBMiシリーズのハードウェア性能が向上している点があります。その半面、SoR側の基本的な仕組みは従来とあまり変化していないため、結果として、ハードウェアにかなりの余剰パワーが生じているのです。それをうまく利用してSoEを運用すれば、1台のIBMiに、SoRとSoEのシステムを無理なく統合できます。また、今後は意図的にハードウェアをリニューアルして余剰パワーを生み出し、SoRのために活用していくという施策も有効になってくるでしょう。 SoEで実現しようとしている、業務改善や働き方改革などを支援するシステムでは、既存の業務データとの連携が必要になります。そのデータが既にIBMi上に存在しているという事実と、基幹システムとしてのIBMiが備えている堅牢性は、今後、ますます評価されていくに違いありません。そうなれば、当然、IBMiでSoRとSoEを運用することのメリットについても、多くの企業が認識していくことになります。 「POWER iAP on i」を活用すれば、これまでのIT投資を無駄にすることなく、ハードウェアやデータ、人材、ノウハウといった資産をすべて有効に生かしながら、SoEへの革新を進めることができます。次世代のシステムを統合する基盤として、多くの企業にとって理に適った選択肢となるでしょう。

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