2032年とその先までのロードマップがIBM i の将来を保障 | IBM i 総合情報サイト

2032年とその先までのロードマップがIBM i の将来を保障


2032年とその先までのロードマップがIBM i の将来を保障


アリソン・バタリルとブランドン・ピーダーソン両氏が、多様なIBM iにおいてビジネス・パートナーが担う重要な役割について説明します。

2020/11/30
ジェニファー・ゴーフォース・グレゴリー

2020年初頭、多くの組織がリモートワークへの移行と経営モデルの変更に重点的に取り組みました。しかし、パンデミック前に検討していた課題は、依然として未解決のままです。ある業種にとって、パンデミックはクラウドの実装、IoT技術および他の先進ソリューションの統合と同様に、最新のモバイルソフトウェアの活用という柔軟な労働環境の必要性を確たるものにしました。

「私たちの多くのお客様が、技術について次に何をするか検討しています。彼らは『正常に戻りつつある』ので、戦略や目標を再検討しています。」とIBM i オファリング・マネジメントのプログラム・ディレクターであるアリソン・バタリル氏は言います。

今日の世界では、大半の会社が自社のビジネス戦略と協調する形で自社のIT戦略を保有する必要性について理解しています。もしビジネスが市場占有率を拡大する計画をしているなら、新しい事業分野に進出するか新しいプロセスを開発し、ITは会社の方向性をサポートするものと位置付けられなければなりません。最近は、この協調を持続する必要性から、しばしば最前線に対して新たな議論が起きています。

IBM iエコシステムは、ITチームや会社がこれらの戦略的選択を行うのに必要な情報収集の支援に主要な役割を担っています。IBM iのお客様は、技術的選択に関する有益な洞察を供給してくれる、ビジネス・パートナーの強力なネットワークを頼りにしています。ISVは特定業種のトレンドや方向性に関する専門技術や知識を提供します。同様の選択をしている他社とつながりを持つ機会は、北米COMMON、ヨーロッパCOMMON、または巨大ユーザー・グループ(LUG)のような数多くのIBM iコミュニティ・グループで見つかります。現在の環境では対面でのイベントは可能ではありませんが、大半のグループは仮想ネットワークによるオンライン・イベントを行っています。

IBMビジネス・パートナーやISVと緊密に働き、広範なIBM iコミュニティの声を聞くことで、あらゆる大きさの組織が革新と成長のための正しいソリューションを見つけることができます。パートナーがお客様とIBM iについて議論するとき、いくつかの特定の話題が頭に浮かぶように見受けられます。

技術を最新に保つ必要性

IBMは定期的に新しいハードウェアとOSソフトウェアを発表しています。提供される技術的な機能強化には、小さな領域のものも、極めて広範囲なものもあります。これらの機能強化には、フリーフォーマットRPG、Db2のテンポラル表サポートあるいはPOWER9機へのNVMeドライブの接続能力のような機能が含まれます。

多くのお客様が、更新の道筋は困難でリスクの大きいものだと心配します。

確かにどのようなプラットフォームであれ、新しいハードウェアまたはソフトウェアの新しいバージョンに更新するのは大きなリスクが伴います。しかし、IBM iやIBM POWER®ハードウェア・アーキテクチャーの特質により、お客様は一気に両方の更新に着手することも、一つずつ更新することもできます。テクノロジー技術非依存マシン・インターフェース(TIMI)に基づくこのアーキテクチャーは、更新時のリスクを低減するのに役立ちます。TIMIは、新しいバージョンのOSの変更をハードウェアに対して翻訳したり、新しいハードウェアが古いOSと話すのを可能にしたりするので、ハードウェアとソフトウェアの間の連絡係として働きます。

「すべてを一度に更新すると、一部の企業が望むよりも大きなリスクが発生するかもしれません。ハードウェアの段階的更新アプローチやOSの更新を別途行うなど、更新を少しずつ行うことで、お客様はリスクを低減させられるかもしれません。」とバタリル氏は言います。

鍵は、プロセスやスケジュールを決定する際に、更新の道のりを再検討し、ハードウェア・パートナーおよびISVパートナーに確認することです。

IBM iおよびPower Systems™スケールアウト製品マーケティング・マネージャーのブランドン・ピーダーソン氏は次のように言っています。IBMは、IBM iを使うことで高いROIを得ているお客様から定期的にヒアリングを行っており、これがとりわけ小規模の組織に有益なものになっています。2020年のHelpSystems社によるIBM i市場調査では、お客様の90%以上が他のプラットフォームよりIBM iのROIの方が高いと報告しています。

もう少し掘り下げてみると、データセンターでIBM iを使っているお客様は、高いROIの基本的な理由として、スムーズな統合と操作の容易性の2つを挙げています。多くの会社のIT部門は、大きなワークロードを実行し続けるために大勢の人を必要とはしていません。一部の組織はオンサイトに操作員を置かず、クラウド上でIT操作を行っています。

このことは確かにパンデミック中に明らかになりました。多くのお客様は自身のビジネスをIBM i上で実行し、データセンターには本当に誰もいませんでした。これは、IBMやソフトウェア・パートナーから入手できる、日々の操作を遠隔地から行うための多くのツールのお陰で可能になりました。

統合化されたIBM iの実行に必要な人数の少なさ、そしてマシンの遠隔操作が可能であることの組み合わせが、IBM i使用企業が高いROIを報告する要因になっています。

「私たちのお客様の多くが技術に関して次に何を行うか検討しています。というのも、彼らは『正常に戻りつつある』ので、戦略と目標を再検討しているからです。」とIBM iオファリング管理のプログラム・ディレクターであるアリソン・バタリル氏は言います。

組み込みセキュリティと付加されたセキュリティ

お客様は、セキュリティに対してより高い優先度を与えており、パートナーがIBM i について話を始める大変な好機を与えています。オブジェクトベース・アーキテクチャーはIBM iにとって新しく追加されたものではないにもかかわらず、元々の設計の一部、言うなれば「組み込まれた機能」であったために、そのことがしばしば忘れられているのです。これは、開発者がシステムでオブジェクトを作成したとき、それらがオブジェクトの型に限定された一連の活動しか実行できないことを意味します。IBM i はこのアプローチを使い、ファイルを読み書きすることはできても、実行できないようにしています。これは生来のOSがトロイの馬型ウィルスに感染しにくいことを意味します。

「IBM iは市場で唯一のオブジェクトベースのOSであり、それがIBM iをよりセキュアにしています。ウィルスの常套手段である、ファイルを何か他のものに偽装するといったことはできません。」とピーダーソン氏は言います。

ここでの鍵は、IBM iは市場で最もセキュアなプラットフォームの1つであるという事です。IBM、ハードウェア・パートナーおよびソフトウェア・パートナーとの議論は、IT組織がオブジェクトベース・アーキテクチャー固有のセキュリティを基礎にするのに役立てることができます。

強力な遺産をもつ情熱的なコミュニティ

IBM iのチーフアーキテクトであるスティーブ・ウィル氏は、IBM iコミュニティが、特に拡張性、可用性、セキュリティの領域において、IBM iの方向性を決めるのに役立つ価値ある洞察を提供していると言います。IBM iは、IBMが世界中のIBM iを使用している最大の企業約100社のユーザーグループであるLUGのメンバーと行う定期的な話し合いの恩恵を被っています。加えて、IBM iチームは中小企業の要望を聞き、それを理解するために定期的にCOMMONやヨーロッパCOMMONと会合をもっています。

さらに、定期的にISV懇談会と会合することで、IBM iチームは現在のパートナーの課題や展望を最新の状態に保っています。なぜなら、彼らは特定の業界トレンドに関わっているからです。これにより、IBM iチームは企業のIT投資拡大に取り組めるのです。ISVは、ヨーロッパのGDPRのような世界的なビジネス標準を包含するガイダンスを提供してきました。

IBMは、毎年IBM iの市場を調査する様々な会社と共に仕事をしています。彼らは、お客様が自身のビジネスのためにIBM iの異なる側面をどのように使うのか、更に深く理解するためにその結果を使用します。ウィル氏は、彼のチームは毎年重要課題について慎重に考慮していると言います。最近この課題には、セキュリティ、高可用性、アプリケーションのモダナイゼーション、IBM iのスキルが含まれています。

2020年はコミュニティとのつながりのあらゆる側面で違う年でしたが、IBM iチームはお客様やパートナーとブリーフィングやワークショップを行い続けました。他の年であれば、これらは対面形式で行われたでしょうが、2020年にはこれらは仮想空間で行われました。

オープンソースとAnsibleを使いスキルギャップを低減

2008年以降、IBM iはオープンソース・コンポーネントを追加し続けています。現代的環境の要求はいくつかの要素によって推進されてきています。もちろん、オープンソースは既存のIBM iアプリケーションに異なるインターフェースを提供する方法を提示します。しかしながら、これに加えて若い開発者達がより多くのIBM iユーザー企業に雇用されるようになったので、この要求は増大しています。これらの開発者達は、IBM iのビジネス・アプリケーションと他の技術を繋ぎ合わせる方法を探しており、このことが革新とビジネス価値を推進しています。

IBMがRed Hat®を買収して以降、多くのお客様が、クラウド・プロビジョニング、アプリケーション配布、セキュリティ・パッチの適用、更新作業といったルーチン作業を自動化するためにRed Hat Ansible®を評価、採択しています。お客様およびパートナーからのフィードバックに基づき、IBM iチームはこの1年間Ansibleの機能追加に優先順位を置きました。

Ansibleは様々な機能を提供し、大半の機能はワークフロー自動化の領域に焦点を当てています。多くのIBM iのプレイブックを活用することで、お客様はAnsibleを使ってプロセス自動化やネットワークの隅々へのタスク配布ができます。Ansibleは以下の2つの主要な方法でIBM iと統合できます。

お客様はシステム管理機能を使って更新の配布、システムが使用可能かどうかの検査、ネットワークとの通信を行います。

AnsibleのDevOps機能は、DevOps手法による開発と配布を支援し、小さなコードモジュールが開発/テストを完了した後、すぐにネットワークの隅々に配布できるようにします。

「Ansibleを含むオープンソースは、お客様が別のスキルを持つITプロフェッショナルを雇用し、彼らをすぐにIBM iで仕事できるようにします。オープンソースはIBM iを新たな開発者コミュニティに開放し、彼らにアプリケーション構築に使用する技術と言語の選択の更なる自由を与えます。」とピーダーソン氏は言います。

「IBM iは市場で唯一のオブジェクトベースのOSであり、そのことがIBM iを一層セキュアにしています。ウィルスの常套手段であるファイルを何か別のものに偽装することはできません」とIBM iおよびPower Systemsスケールアウト製品マーケティング・マネージャーのブランドン・ピーダーソン氏は言います。

継続的可用性の提供

IBMとISVパートナーのネットワークは、バックアップ、災害復旧(DR)、高可用性(HA)のための幅広いソリューションを提供してきました。多くの企業は自身のビジネスと調和するよう、それぞれ固有の要件をもっています。とある業界には、可用性のために非常に的を絞ったソリューションを必要とする標準があります。さらに、より多くのビジネスが1日24時間、週7日のオペレーション・モデルに移行するにつれ、継続的可用性と言う考えが主要な議論になりました。
IBMのPower HA for iおよびBRMSには、IBM i 7.4および後続のテクノロジー・リフレッシュを含め、定期的に新たなフィーチャーと機能が加えられています。7.4におけるIBM iへの最大の機能追加の1つは、IBM Db2 Mirror for iであったとウィル氏は言います。このソリューションは、互いにミラーし合う2つのシステムをペアにします。アプリケーションは双方のシステムで動き、更新されたデータは相手方のマシンにミラーされます。これにより、たとえ更新時であってもダウン時間ゼロでの稼働を実現します。

しかしながら、これはDRの必要性を無くすものではなく、ワークロードを同時に実行し続けるようにするためのものだとウィル氏は警告します。この機能は回復時間目標ゼロを提供するものなのです。

IBM i の将来計画

IBMは将来のロードマップについて包み隠さず語っています。2019年4月にIBM i 7.4 が発表されて以降、IBMは3つのテクノロジー・リフレッシュを出しています。IBM iチームは既に現在iNextと呼ばれている次期リリースの開発作業中であると語っています。この業界で最も長いロードマップの1つで、IBM iの戦略は2032年を超えています。更新されたロードマップはIBM i戦略白書で発表され、バタリル氏とウィル氏はメジャー・リリースが発表されるたびにこの白書に寄稿しています。

IBM iチームは、常にパートナーのIBM iエコシステムと繋がりをもつよう重点的に取り組んできました。これにはハードウェア・パートナー、ISV、コンサルタントそしてユーザーグループの巨大ネットワークのようなコミュニティ・パートナーが含まれます。彼らは、IBM iを使用する企業を成功させるという目標を皆で共有しています。

「私たちはIBM i に長期にコミットしており、世界中のパートナーと強い関係を築き続けることを望んでいます。最も重要なことは、我々のチームが継続的にIBM i に新たな革新を築いているように、私たちのパートナーが新しい技術で革新を遂げるのを手助けしたいと思っているということです。」とピーダーソン氏は語ります。

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