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IBM i によるデジタルファースト戦略の構築

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IBM i によるデジタルファースト戦略の構築

Neil Tardy / 2023年6月13日

Rocket SoftwareのPuneet Kohli氏が、IBM iによるモダナイゼーションに関する誤解を解く。

IBM i 環境のモダナイゼーションに関して、最大の課題は技術的なものではないことがよくあります。多くの企業は、何から手をつければいいのかわからないのです。

Puneet Kohli氏は、常にそれを目の当たりにしてきました。Rocket Softwareのアプリケーション・モダナイゼーション担当社長であるKohli氏は、顧客が課題をナビゲートし、IBM iがモダナイゼーション目標の達成に適していることを認識するための支援を任されています。

このプロセスは、いつも単純な安心感を与えることから始まります。というのも、IT担当者と会うと、必ずと言っていいほど2つのことを聞かれるとKohli氏は言います。「モダナイゼーションについてお客さまと話すと、まず『モダナイゼーションは難しそうだ』『何から始めればいいのかわからない』と言われます」。

3月、テック業界のアナリストであるIDCは、ホワイトペーパー “How IBM i Can Play a Pivotal Role in Supporting a ‘Digital First’ Strategy” を発表しました。Rocket Softwareがスポンサーとなっているこのペーパーで、IDCは、IBM iのシステム、ワークロード、アプリケーションは、コストや管理が複雑すぎるという認識から、組織の近代化構想の中で制限されたり、除外されたりすることが多いと指摘しています。

そしてIDCは、主要なモダナイゼーション要件とプラットフォームのユニークな特性を強調し、次のように結論付けています: 「デジタル化が進む今日の世界では、デジタルファースト戦略にIBM iを含めることを避けては通れません。世界中の何千もの企業で、あまりにも多くの重要なアプリケーションがIBM i上で稼働しており、これらのアプリケーションは、新しい機能やサービスを提供するために、継続的なモダナイゼーションに含まれるプラットフォームを必要としています。IBM iは、エンタープライズクラスのコンピューティングのための堅実でモダン、将来性のあるプラットフォームで、組織は投資して、進化するデジタルファーストのITランドスケープに統合すべきです。」

モダナイゼーションに関する誤解を解くために

顧客と接する中で、Kohli氏は自分の役割を「情報の提供」と「教育」と考えています。時には、そのためにIBM iプラットフォームに馴染みのない人の誤解を解かなければならないこともあります。長年のプログラマーや管理者の心を打つ逸話として、買収でIBM i環境を受け継いだ新任のCIOとの出会いを紹介してくれました。

「その新任CIOは、20年以上前のアプリケーションをなぜ使っているのか疑問に思っており、もうその利用をやめたいと思っていました。」とKohli氏は語ります。「そこで私は、『ほら、Pythonをサポートしているじゃないですか』と言ったのです。すると、彼は目を見開いて『つまり、私のところにいる子供たち(プログラマー)も、それを使えると言うんですか?』と聞くので、私は『絶対にできますよ』と答えたのです。」

「彼らはIBM iやRPGといった用語に慣れていないのです」と、Kohli氏は付け加えます。「だから、彼らが耳にする用語を使いながら、手助けをする必要があるのです」。

ホワイトペーパーに記載されているように、IBM iに精通していないことが原因で、異なるコンピューティング・プラットフォームに依存している組織においてはモダナイゼーション・イニシアチブをWindowsまたはLinuxに限定しがちであるという現象も認められます。

「WindowsやLinux上で動作するアプリケーションがあり、それらも何年も前に書かれたものであった場合、人々はWindowsやLinuxについて話す方が快適なので、IBM iを後回しにしがちなのです」とKohli氏は言います。「しかし、それは同じ話であり、もしあなたがIBM iのプロを連れてこなければ、モダナイゼーションに関する会話はさらに難しくなり、さらに後れを取ることになります。まずはサイロを壊すことが重要なのです。」

モダナイゼーションは可能である

その悩みは理解できます。30年以上前に作られたアプリケーションが、今でもビジネスクリティカルな機能を果たしている、しかもそのプログラムを書いた人間は当の昔に退職している、と考えると、気が遠くなるような思いがします。Kohli氏もそのプロセスは簡単ではないことを認めつつ、必ずロジカルなスタート地点があると言います。例えば、あるクライアントでは、Rocket Softwareによる解析でモノリシックなアプリケーションが見積もり経路の20%しか使用されていないことが判明しました。また別のクライアントでは、API(ハロー、Python!)を使ってレガシーアプリケーションと最新のシステムを接続することができることを思い出しました。

「多くの場合、私たち、あるいはこのようなことを行う他の誰かに、アプリケーションを見ることを許可してもらうことから始まります」と彼は言います。「アプリケーションが何をしているのかが分かれば、他のソフトウェアアプリケーションと同じようにアプローチすることができます。つまり、同じソフトウェア開発の原則に従えばいいのです。フロントエンドにReactorコネクタを構築するだけでもよいでしょう。そこから2週間のスプリントを行うことで、進歩が見えてきます。だから、確かに難しいけれど、それほど難しくもない。確実にそこに到達することができるのです。」

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