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2023.06.15
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iWorld Web Town Meeting @ TYO レポート

iWorld Web Town Meeting @ TYO レポート
iWorld Web Town Meeting @ TYO レポート

2023年5月31日に「次世代IBM i 宣言!~ 次の20年に繋ぐ“強いシステム基盤”の最適解とは」と題して、株式会社イグアス主催のiWorld Web Town Meeting @ TYOが東京の虎の門ヒルズで開催されましたので、同イベントでの各セッションの概要をお伝えします。(編集部)

イベントの開始にあたり、株式会社イグアスの今西修一氏より、Power10の発表と同時に2022年7月に開設されたiWorld Webは、IBM iユーザーにWebとフェース・ツー・フェースの2つのチャネルによるコミュニケーションの場を提供し、IBM iのコミュニティを形成・確立することを目的とするコミュニティであること、そして現在IBM iユーザー 1045社、延べ1300名(IBM iの販売会社のメンバーを含めると1850名)が登録中であるとの紹介がなされました。 今回は、フェース・ツー・フェースのコミュニケーションの第1弾として第1回のTown Meetingが開催されましたが、今後も各地のIBM iユーザーとの接点を深める場として様々な地域で今回の様なイベントを開催する予定であることも併せて公表されました。

1. 現場の声から紐解くIBM iのリアルと将来展望

最初のセッションはパネル形式で行われ、パネラーとして日本アイ・ビー・エム株式会社の原寛世氏、株式会社松沢書店の山口昌一氏、ベル・データ株式会社の安井賢克氏、株式会社イグアスの伊藤瑞穂氏が登壇し、今後のIBM Power及びIBM iの将来性に関わる以下のテーマについて、次のような意見が展開されました。

▲パネル・ディスカッションの様子

IBM iの将来性は?

原氏は、現在IBM iは世界115か国で115万社を超えるユーザーを有しており、過去3年間売上面でも成長を続けていること、ならびに今後の開発計画についても、毎年年2回のテクノロジーリフレッシュに加え、現行のIBM i 7.5の3世代先のリリースをサポート(これまでは2世代先のリリースをサポート)する計画が公表されていることを挙げ、IBM iは今後長期に渡って安心して使用できるプラットフォームであることを強調しました。

安井氏は、お客様のIT部門の方はIBM iの将来性に対して不安視しておらず、冷静な評価をされているが、ユーザー部門や経営層などからIBM iの継続使用に対する疑問が呈された時に、それが杞憂にすぎないことを説得するのに苦労していると述べ、続けて、「IBM iはオフコンであり、オフコン=オワコン」という漠然としたイメージから来る不安感は、他社のオフコンが軒並み撤退してしまった過去の事実に根差すところもあり、払拭するのは簡単なことではないとの見方を示しました。

所謂レガシープラットフォームから他プラットフォームへの移行は必ずしも正しい選択とは言えず、失敗のリスクや期待したほどのメリットも得られないことがあることも考慮の上で、理詰めで冷静な判断を下す必要があるとガートナー社も過去にレポートしていること、ならびにDX先進国として認識されている米国では、63.4%ものお客様が依然としてレガシーシステムも使い続けているという調査結果を挙げ、ITはビジネス遂行のための手段に過ぎず、本来の目的はビジネスにあることを押さえていることが大切であり、レガシーシステムやオープンシステムという「ラベル貼り」はあまり意味がないと安井氏は指摘します。

現代は、ビジネスに役立つシステムを適材適所で使い分けつつ、両者を連携させて使用する「ハイブリッド」なシステム構成が主流の考え方になっており、DXに成功されたお客様は既存テクノロジーの組み合わせが新たな価値を生み出すという経験をされていると安井氏は言います。

RPGをどうする?

「ハイブリッド」化の結果レガシーシステムが残ると、IT部門の後継者問題に繋がるという問題提起に対して、次のような意見が出されました。

伊藤氏は、若い人達も使うことのできるFF RPGのようなJavaライクな環境を整え、APIでIBM i以外のシステムとの連携もできるようにアプリケーションのモダナイゼーションを図ることが重要だと指摘しました。

原氏は、IBM iでは開発言語としてRPG以外にもJava、PHP、Pythonなどのオープン系言語が使用可能であり、これらの言語を活用すると共に、DBアクセスを旧来のレコードレベルアクセスからRDBの標準であるSQLに移行すれば、オープン系システムで教育を受けた若い人も違和感なくIBM iを使いこなすことが出来ると言います。

同様に、安井氏もFF RPGであれば若い人達に馴染みのある他の言語との違いはあまりないので、違和感なく使用できると言います。古いRPGで書かれたプログラムの維持管理はベテランが、新しいアプリケーションは若い人がFF RPGで開発、維持を担当する様にしているお客様事例もあるとの話でした。ただ、最終的には古いプログラムはFF RPGへの移行を考える必要があるとの考えを安井氏は示しました。

IT担当者から見たIBM i とは?

非ITエンジニアからある日突然IT担当者に任じられた山口氏から見てIBM iはどのようなマシンに見えるのでしょうか。

これに対して山口氏は、とにかく要望事項や問題を解決するためにインターネットで情報を収集しまくる毎日だったと回想します。当初は国内サイトでは解決できず、よく海外のサイトを参考にしており、知りたいことが丁寧に説明されている国内サイトが欲しいと思っていたそうです。今ではiWorldやQiitaなどにIBM iの記事が載るようになり、これらのサイトで問題解決ができるようになったとのことで、インターネットによる情報収集の有用性を強調していました。また、IBM iは高速で堅牢なシステムであり、殊にシステムの堅牢性のもたらす安心感は担当者として他に代え難いものがあると山口氏は言います。同社ではIBM iの他に仮想サーバーを使用していますが、それに比べてIBM iの信頼性は非常に高く、使用上の安心感はもとより、システム監視の手間もかからず運用も楽だといいます。また、他のシステムではストアドプロシージャを書かなければならないようなケースでも、JOINで簡単に新しいテーブルが作れるIBM iのデータベース機能を大変気に入っていると語ります。

▲IBM 原氏と松沢書店 山口氏

IBM i ユーザーコミュニティの意義は?

ITを取り巻く環境が大きく変化している現代では、単に現状維持を図るだけでは世の中の流れに置いて行かれてしまいます。安井氏はIBM主催のナレッジモールというコミュニティに参加し、いかにしてIBM iのスキルやノウハウを次世代に継承するかをテーマに活動しており、多くの若い方に利用してもらえる成果物を残そうと活動中とのことです。

また、伊藤氏からは、ナレッジモールのような技術者コミュニティに参加するのは少し敷居が高いという方向けに、iWorld Webを通じて有益な情報発信を行っていく予定であり、今回の様なイベントでは懇親会を通じたユーザー同士の繋がり作りも支援していくので、今後もiWorld Webに期待して欲しいとのメッセージが述べられました。

最後に、「開発ロードマップで話したように、IBM iは今後とも安心して使用できるプラットフォームです」というIBM iユーザーに対する原氏からの心強い発言でセッションは締めくくられました。

2.IBM iのモダナイゼーション: 輝く未来への鍵

2つ目のセッションは、Central Park Data Systems社のチャールズ・グアリーノ氏とレイニア・セジュース氏によるIBM iをモダナイズする必要性とその方法に関するプレゼンテーションでした。以下は2人の話を簡単に再構成したものです。

IBM iは6月21日に誕生から35年を迎えますが、今日は今後もIBM iを使い続けるべき理由と、アプリケーションを現代の要件に適応させ続けるためのモダナイゼーションについてお話します。

モダナイゼーションと一口に言っても、その要求はお客様によって様々ですが、それらは表面化したモダナイゼーションの個々の事象に過ぎません。モダナイゼーションが求められる根本的理由は、現行のITシステムが常に変化するビジネス要件に迅速に対応できない点にあります。言い換えれば、ITシステムをビジネス要件の変化に迅速に対応できるように変えることがモダナイゼーションの本質です。そのためにはより良いテストツールも必要です。また、外部システムとの接続が当たり前の環境において、セキュリティを強化することも要件の1つとして求められます。

あなたのお客様の視点から考えると、自分のモバイル端末を使って、24時間365日いつでもパーソナライズされたサービスを提供してくれる環境が当たり前になっています。こうしたお客様の期待、ニーズに応えることがビジネスを伸ばす鍵になります。そうした観点からすると、現代のITシステムは経費ではなく、戦略的経営資産と捉え活用すべき存在です。

残念なことに、現在IBM iのユーザーの多くがIBM iを未だにAS/400として使用し続けているという現実があります。つまり、IBM iはAS/400時代(あるいはもっと古くS/34やS/38の時代)に開発されたアプリケーションを動かせるだけでなく、Web機能やオープンソースに対応した機能を備えるサーバーとしての機能を併せ持つ現代のマシンであるにもかかわらず、多くのお客様は前者の機能だけを使用している(グアリーノ氏は個人的にこれをAS/400モードと呼んでいます)に過ぎないのです。そのことは、5250というCUIをもつ端末と、それをベースとしたSEUやSDAのようなもう20年以上機能拡張されていない(IBM流に言えば「安定した」)開発ツールが未だに使用されているという事実に典型的に表れています。しかし、これでは現代のようにビジネス要件が常に変化し続ける状況にAS/400モードだけで対応することは困難です。

現代はAPIエコノミーの時代であり、APIを通じたシステム連携により、相互のシステムの機能をサービスとして利用することで必要な機能を実現するのが当たり前の世の中になっています。これへの対応もモダナイゼーションに求められることの1つですが、IBM iは既にその機能を備えています。例えば、API連携を使って今話題の生成AIのChatGPT、画像や映像の分析サービスを提供するAmazon RekognitionなどにJSONで処理を要求し、JSONで応答を受け取ることでIBM iと連携処理することもできるのです。

IBM iのオープンソースサポートは信じられない程充実しています。実際、IBM i上で実行できるオープンソースパッケージは数百を数えます。もはやIBM iは閉じたシステムなどではないのです。もちろんこのオープンソースパッケージには、Java、Python、PHP、Nodeなどの言語も含まれており、これらの言語を使用することで新たな領域のアプリケーションを容易にIBM iで実行することもできます。

IBM iの将来性については、現時点で少なくとも2037年までのサポートが約束されており、その間に2~3年に1度の大きなバージョン/リリースアップと年に2回の機能強化(テクノロジーリフレッシュ)が行われることが開発ロードマップで公表されています。これは他のプラットフォームでは見られない大きな差別化のポイントです。IBM iにはこれまでもカスタマーアドバイザリーパネルを通じて顧客の要望を汲み取って市場に投入してきた実績があり、これからもそれは継続されるでしょう。また、最近のFORTRA社(旧HelpSystem社)の全世界のIBM iユーザーを対象にした調査によれば、今後ともIBM iを使い続ける、または利用を増やすと回答したユーザーは69%、IBM iのROIの高さを評価するユーザーは実に95%に上ります。また、Rocket社は「IBM iはデジタルファースト戦略を支える主要な役割を果たす能力をもつ」とレポートしています。こうしたことからも、IBM iは今後も安心して使い続けられるプラットフォームだと言えます。

モダナイゼーションはどこから、どのように着手すれば良いのでしょうか?その方法は、開発者のモダナイゼーション、インフラストラクチャーのモダナイゼーション、アプリケーションのモダナイゼーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)の4つをこの順番に実施することです。

第1段階で開発者のモダナイゼーションを行うのは、開発者が最新のIBM iの機能を十分に把握しておらず、その能力を最大限に活かせていないことによるものです。第2段階ではインフラストラクチャーを整備し、開発プロセスが適切なものになるようにそれを支えるツールを導入します。そうしたツールには、RDiまたはVSCode for iなどの統合開発ツールがあります。また、ブラウザーベースのシステム管理インターフェースを提供するIBM Navigator for iや、システム上のテーブルの情報(例えばテーブルに定義されたトリガーや誓約、テーブル間の相関)を図示してくれるARCADのようなグラフィカルツールがあります。こうしたツールはモダナイズすべきシステムの現状を明確かつ的確に把握するのに役立ちます。第3段階では、アプリケーションロジックをFF RPGに書き換え、DBをSQLベースに移行します。そして最後段階がDXです。

多くのお客様は1つのプログラム内に沢山のビジネスロジックを詰め込んだ所謂一枚岩のプログラムをお持ちです。これをモダナイズするにあたって、私達はロジックを小さな塊に分け、それらをAPIで繋いだり、SQL呼び出しに置き換えたりしてきました。これはアプリケーション中心の考え方ですが、今私達が推進しようとしているのは、こうしたビジネスロジックをDB側にもたせるデータ中心の考え方です。DBのもつ制約、トリガーなどの機能を使ってアプリケーションロジックをDBに組み込むことができ、同じビジネスロジックを個々のアプリケーションに何回も実装する必要がなくなります。こうすることで、ビジネスロジックを修正する際に、修正漏れの心配が無くなりますし、テスト工数も削減されます。また、監査機能、コミット制御などDBの持つ機能でデータ変更の正しさや整合性を保証し、セキュリティ機能によってデータを保護することもできます。

▲講演するチャールズ・グアリーノ氏とレイニア・セジュース氏

3. エキスパートに訊く

最後のセッションは、Web登録メンバーから事前に募集した質問にエキスパートが答える形で進行し、以下のようなQ&Aが行われました。(回答者は、日本アイ・ビー・エム株式会社の高木泰成氏および佐々木幹雄氏、ベル・データ株式会社の安井賢克氏、Central Park Data Systems社のチャールズ・グアリーノ氏です。以下、敬称を略します。)

QAセッションに登壇したエキスパート達

【Q1】
IBM iの専任技術者育成、RPG技術者の不足や高齢化という課題に対する他社事例を知りたい。

【A1】
オープンシステムに寄せていきながら、同時にX-AnalysisやRCADで現行RPGプログラムをモダナイズし、若手にスキルを受け継いでいく戦略を取っている松沢書店様の事例が参考になるのではないでしょうか。また、担当者が1人しかおらず、日常業務で手一杯というようなケースでは、アプリケーション保守サービスを提供している会社もあるので、そうしたサービスの利用も検討してはどうでしょうか。(安井)
FF RPGは他のプログラムとよく似ているので、Javaのようなオープン系の言語を習得した若いプログラマーにも違和感なく受け入れやすい言語です。ですから、ベテランが退職する前に古いRPGをFF RPGに変換し、その維持管理を若いプログラマーに託せるようにすることが大事でしょう。(グアリーノ)

【Q2】
オープンシステムに比べ、IBM iの性能をフルに活かすソリューションの提案が少ない。今の潮流であるシステム連携、特にDB2 for iとの連携をシームレスに行えるソリューションはあるのか?

【A2】
IBM iのREST API連携標準機能のほか、ベル・データ社をはじめとしたベンダー各社から提供されるAPI連携ソリューションなどが挙げられます。(佐々木)
レガシーなテクノロジーとOPENなテクノロジーをいかにつなげるかという点で、REST APIがカギになるが、ただそのままだとすぐに実装できるわけではないので、ベル・データとしてはサービスとして提供しています。例えば、REST APIをつかったプログラムの完成品として納品するだけではなく、お客様が内製できるようにサンプル・プログラムを提供するとか、QAサポートなどを行っていますし、他社ベンダーでも同様のサービスが提供されているものと思います。(安井)

【Q3】
既存RPGプログラムをWeb API化するためにILE RPGに単純変換して書き換えた場合、CLなどから実行してもプログラムの動きに違いは出ないか?

【A3】
特に変わるところはありません。(佐々木)

【Q4】
Power10の性能が飛躍的に向上していてその能力を使いきれないが、小規模ユーザーでこれをフルに使うアイディアが欲しい。

【A4】
スマホ1台で何でもできるようになっているように、IBM Powerの中に何でも取り込むチャンスととらえていただけたらどうでしょうか?
これまでIBM iの外のシステムで実行していたようなドットネットの環境やLinuxの環境を、IBM iに取り込むことでシステム管理の省力化や省電力、トータルコストを下げることが考えられますので、是非そうしたこともご検討ください。(高木)

【Q5】
日本語環境で、利用できる文字が出来るだけ多い環境に移行したいが、移行前に確認すべき点、推奨される移行手順、移行する文字コードについて教えて欲しい。

【A5】
一般的には日本語であればCCSID 1399を使用することが推奨されます。基本的にはCPYFでデータ移行もできます。既存のテキストフィールドのCCSIDが65535である場合には、CPYFでデータ移行する際に現行のCCSIDを明示設定した上で、コピー先ファイルにはCCSID 1399を指定してCPYFを実行する手順になります。また、外字については移行ツールがないので、細かなケアが必要になりますが、詳細は懇親会会場でお尋ねください。(佐々木)

【Q6】
PowerVSの発表から3年経ちますが、品質や国内実績はどうなっていますか?本番環境でPowerVSを使うことはできるのでしょうか?

【A6】
PowerVSは2020年にワシントン、ダラス、フランクフルトの3拠点でサービスを開始しましたが、現在全世界15拠点(その内、日本は東京と大阪の2拠点)でサービス提供中で、IBM i/AIXほぼ同比率で利用されており、年率3倍の勢いで利用数が伸びています。ポイントはオンプレミスだろうがクラウドだろうが全く同じIBM Powerのアーキテクチャーが実装されている点で、本番をオンプレで災害対策を大阪のPowerVSで、といった利用もできます。なお、本番環境としてPowerVSを利用されているお客様は現在10社を超えています。(高木)

【Q7】
IBM i 7.5でQSECURITY=20が指定できなくなった理由について教えて欲しい。また、iユーザーが考慮すべきセキュリティのポイントは?

【A7】
QSECURITY=20の廃止は内部犯行説に基づくものと考えています。現在QSECURITY=20では、IDとパスワードを有する人はシステム上のあらゆるオブジェクトにアクセスできてしまい、セキュリティ管理としては不十分であることからこの設定が無くなりました。また、米国での調査結果によるとQSECURITY=20を使用しているユーザーは4%と少数であることも背景にあります。(安井)
システム値QSECURITY=20が廃止されたのには理由があります。昔はシステムにアクセスするのはグリーンスクリーン経由のみでしたので20で事足りましたが、今や出口ポイントやAPI、ファイル転送など、様々な経路でシステムにアクセスすることができるので、QSECURITYもより高度な30とか40に設定し、システムをそれ相応にセキュアにしておく必要があるのです。QSECURITY=20の設定の方は至急見直しをされることをお勧めします。(グアリーノ)

【Q8】
Power10でメモリー暗号化が追加された背景を教えて欲しい。

【A8】
侵入者の手口が高度化しているため、犯罪者の先手を打った防衛策を備える必要があります。たとえば、メモリー上のデータを盗み取られる可能性も否定できないのが現在のITを取り巻くセキュリティ環境の厳しい現実です。そうなると、暗号化されていないデータはプロセッサの中にしかない状況を作り出すためにメモリー上のデータさえも暗号化するする機能が求められることになります。(安井)

※その他、事前にお寄せいただいていたものの、時間の関係で回答できなかったご質問をここに採録いたします。

【Q】
RPGとJavaは、どちらの生産性が高いのでしょうか?また、IBM iで使用する場合お奨めの言語は何でしょうか?

【A】
どちらの言語の生産性が高いかは、その用途によって異なるので一概にどちらという事はできません。一般論として言えば、SoR型のアプリではRPGが、SoE型のアプリではJavaが向いているということはできると思います。また、言語を考える上で忘れてはならないのが、ソフトウェア資産の継承性、つまり古いプログラムでも将来に渡って変更なしに使い続けられることが保証されているかということで、RPGはこの点でJavaと比べ大きな優位性があります。(安井)

【Q】
今からRPGで開発する価値はあるのか?FF RPGは難しいのではないか?

【A】
ひと口にRPGと言っても、大きくRPGⅢ、RPGⅣ(つまりILE RPG)、FF RPGの3つの世代があり、将来を見据えた場合FF RPGの使用が推奨されます。FF RPGは難しいという声も聞きますが、逆にオープンソース系の言語を習得した人にとっては、大変馴染みやすいRPG言語です。古いRPGアプリもFF RPGによる新しいアプリとの連携処理も可能ですから、RPGⅢやRPGⅣは得意だがFF RPGにはちょっと苦手意識の有るベテランプログラマーは、現行の古いRPGプログラムのメンテナンスにそのスキルを活かして異世代RPGの共存環境を維持することができます。(安井)

イベントは2時間にわたり、以上の3セッションが展開され、そのセッションも熱心に聞き入るお客様の姿が目立ちました。 またイベント終了後は懇親会も開催され、和やかな雰囲気の中、参加者同士の名刺交換やセッション登壇者を捕まえて質問をされる姿も見受けられました。

当タウン・ミーティングはまず第1回目のトライアルという位置づけで、今後「IBM i ユーザーのコミュニケーションの場」を提供するという目的で、首都圏以外での開催も予定されております。 今回ご参加いただけなかった方も是非次回お近くで開催の折にはご参加ください。

▲イベント終了後の懇親会の模様

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