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IBM i 7.3が、RPGに与える影響


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最新のリリースとなるIBM i 7.3。今回のアップデートは7.1から7.2のアップデートよりも短いスパンでおこなわれることもあり、関係者の間では大きな注目を浴びています。一方で、RPGのエンジニアにとって気になるのはこのアップデートでRPGがどのような影響を受けるのか、ということ。もちろん、OSやデータベースのアップデートになるので、エンジニアは必ずや影響を受けます。このあたりの詳細についてはSteve WillDawn Mayのブログを参照するとよいでしょう。

オープンソースの利用に大きな影響がありそうな今回のアップデート

7.3 の発表では、オープンソース関係のツールや開発言語に関することが多く含まれているようなので、IBM iのエンジニアは確実に影響を受けることでしょう。 RPGのソースコードの管理にGitを使用する場合、従来のソースファイルではなくIFS上にソースコードを保存することを厭わなければ、 7.3で利用可能になるようです。
このアップデートがオープンソースの利用に与える影響については、Tim Roweのブログをご覧ください。
今回の記事で考えていきたいのは、IBM i 7.3がRPGに与える影響についてです。

IBM i 7.3のアップデートに関する情報のうち、RPGに関する大部分は、フリーフォーム化宣言や、ソースコードの長さが従来の80桁から実質無制限となることなど、 7.3のアップデートが発表される以前に既に公表されてきたことばかりにとどまるのではないでしょうか。
フリーフォームRPGについて、以前おこなった発表はタイミングが悪く、大きなニュースの間に埋もれてしまう結果となりました。そのため、フリーフォームRPGの存在を知らないエンジニアは少なくありません。そこで、今回の機会を通じて認知を高めていきたい、というのがIBMの狙いにあるように感じています。
7.3のアップデートの概要を見る限り、RPGに関する新機能が全くないわけではありませんが、ここ最近のアップデートとと比較すると、地味なものにとどまっています。 (それでは簡単に見ていくことにします。)

%SCANR組み込み関数の追加

ひとつ目の新機能は、これまで待ち望まれていた%SCAN組み込み関数(BIF)に関連する、%SCANR の追加です。これは、基本的に%SCANと同じように機能しますが、逆から計算を行います。つまり、ストリングの1からではなく、最後のストリングから検出をおこないます。

基本的なシンタックスは以下のようになります。
%SCANR( 検索引数 : ソース・ストリング {: 開始位置{: 長さ}})
%SCANR( search argument : source string {: start position {: length}})

特に、長さのパラメータが追加されていることで、ソース・ストリングのサブストリングを効果的に検索することができるようになっています。この機能は現在、%SCANにも追加されました。

null値可能フィールドに関連すう関数やサポートが追加

ふたつ目の新機能は、null値可能フィールドに対するサポートが追加されたことです。これは、新しく追加された関数%NULLIND (null標識の照会または設定)を利用しておこないます。これにより、特別な名前を持つインジケーターをnull値可能フィールドに関連づけることができます。 今回のアップデートでは、null値可能フィールドのステータスをテストする場合、 %NULLIND組み込み関数を使用せず、関連したインジケーターのステータスをテストするだけで済みます。その結果、コードがきれいになり、読みやすくなります。 また、関連するものとしてLIKEREC や EXTNAMEを使用した、null値可能データ構造も利用できるようになりました。このあたりについては、IBM i エクストラ e-ニュースレターの別の記事にて詳細を解説していく予定です。

パラメータの利用上限がアップ

最後となる新機能は、残念ながらあまり利用価値のないものかもしれません。従来、呼び出し (CALLP やサブプロシージャーの呼び出しなど) のデータバインドに使うパラメータの数は、最大で399でしたが、今回のアップデートでパラメータは最大で16,382まで使用できるようになります。正直なところ、従来のエンジニアの視点ではこれほど多くのパラメータは必要ないと考えてしまいがちですが、上限が上がることでRPG にも新しい能力が備わったことになります。

Orionエディターの動向に注目が集まる

現時点では以上がRPGの新機能となります。一方で、Tim Roweのブログで話題に上がっている、「Orion エディター」は注目に値します。OrionはEclipseテクノロジーをベースとしており、最初のリリースではRPG のシンタックスチェックがサポートされます。オープンソースのプロジェクトということもあり、RDiのプラグインを開発したiSphereやその他グループも自分たちの技術をOrionに移植するかもしれません。
もしそうなれば、OrionはこれまでRDiを購入しなかったエンジニアたちにとって、RDiの代替となる可能性を秘めており、今後の展開に注目が集まりそうです。

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本記事は「IBM Systems Magazine」の許諾のもと、原文を日本語化するとともに、一部再編集したものとなります。原文をご覧になりたい方は下記よりアクセスしてください。

原文タイトル: Is There Anything RPG in IBM i 7.3?
原文著者: Jon and Susan

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