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DB2 Web Query for iでダッシュボードを構築する方法


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ダッシュボードとは何か、どうやって作るのかを知っていますか? ダッシュボードとは、複数の情報をまとめて、概要を一目で見ることができるようにするもので、ビジネスパフォーマンスを管理・向上させるツールとして徐々に普及し始めています。IBM iシステムではダッシュボードを構築することができますが、何から始めればよいかご存じでしょうか?

IBM DB2 Web Query for iは、複数のデバイスでデータを表示可能にする、最新のレポート作成ツールです。Web Queryツールセットは、DB2データベースや他のオブジェクトを用いることで、役立つレポート作成アプリケーションの開発ができます。テキストやチャート、イメージを組み込んでアプリケーションを開発すれば、その結果をデスクトップやタブレット、スマートフォンに展開できます。一度アプリケーションを作成すればどこからでもアクセス可能です。

Web Queryには、ドキュメントやダッシュボードを組織に共有する方法がいくつかあります。本記事では、基本的なダッシュボードの概念とWeb Queryのいくつかの機能についてご紹介します。アナリストは、クエリツールを使用したり、リキーを実行したり、あるいはスプレッドシートへダウンロードしたりすることで、ERPシステムからデータを抽出してチャートやグラフを作成することができます。まさに「百聞は一見にしかず」という古い諺を証明するような仕上がりになります。

データプレゼンテーション

ダッシュボードでは閲覧者がビジネスパフォーマンスに関連する複数のメトリクス(KPIsと呼ばれるもの)に集中できるようなデータを表示します。

KPIsは、テキストやグラフ、記号などを使用して、現在や過去のデータを表示することが可能です。しかし、正しいキーメトリクスとは何でしょうか? それぞれのビジネスに独自の成功尺度があるため、この問い対する答えはありません。企業で取り扱うメトリクスには、売上、利益、サービスレベル、在庫、製品品質、従業員数に関連する資金額や数値が含まれます。また企業は、競合他社の同様の指標や業界ベンチマークに関する数値を比較することでキーメトリクスのヒントが得られるかもしれません。

図1

図1はGoogle Financeが提供したもので、IBMの株式に関連するさまざまなメトリクスが示されています。ある一時点における最新情報のスナップショットや、過去の期間との比較、実際の変化率と移動量の増減などを掲載しています。このプレゼンテーションでは、インタラクティブなグラフを使用しているため、過去の傾向を日(1時間単位)や年(月単位)の期間に切り替えて表示できます。

IBM DB2 Web Query for iでは、DB2テーブルや複数のビュー、その他のオブジェクト、ソースからの情報検索を容易にすることで、企業のデータを活用して図1のようなプレゼンテーションを作成できるようにしています。

ソフトウェアパッケージやERPシステムを利用している企業にとっては、メトリクスデータをサポートすることはおそらく可能でしょう。しかし、KPIプレゼンテーションを理解するには、そのデータの要約や再フォーマットが必要になるはずです。多くの場合、最も重要なメトリクスを決定するには、議論を必要とします。私たちの目の前にビッグデータが氾濫していることを考えると、状況は今後さらに興味深いものになるでしょう。

メトリクスを使用したプレゼンテーション

たとえば、XYZ社がいくつかのメトリクスについて合意し、ある期間のステータスと傾向を表示するダッシュボードの開発を決定したとしましょう。そうすると、販売情報を追跡し、将来の売上予測を入手することができます。

DB2の用語では、それらを「受注テーブル」および「販売予測テーブル」と呼びます。これらを使用すると、実際の受注実績と予測を比較するクエリを作成できます。売上データポイントを月単位で蓄積し、チャート上で使用するのです。1つの軸は金額をもう1つの軸は時間を示します。月次達成度グラフでは、予測と実績を比較し、図2のような見た目になります。これで毎月の実際の業績と期待値の確認が可能になります。しかし、各月のこれらの数字は、過去を映し出しているだけなのでこれから先どうしたらよいかわからないですよね。

図2

この情報のプレゼンテーションは、累積合計を使用し作成することもできます。これにより先を見据えることが可能になります。このチャートは過去の実績に加え、「ここ数か月の予測目標を達成できなかったけれど、年次目標に向けて正しい方向に進んでいるのだろうか?」という疑問に答えるので、閲覧者は将来を予測することができます。図3を参照してください。

図3

図3

この例においてXYZ社は、良い結果を出し続ければ年次目標を達成することができるのかを知ることができます。

ダッシュボードの開発

他のアプリケーション構築と同様に、メトリクスとダッシュボードの開発プロセスには、レスポンスタイムとクエリのパフォーマンスを考慮する必要があります。マネージャーや最高経営者レベルの役員たちは、ダッシュボードが表示されるまで長く待ちたくないでしょう。図3のようなチャートでは、チャートプロットに対応するフォームにデータを取り込む方法がいくつかあります。

まず運用データファイルを読み込み、チャートを表示、更新するたびに、レポートに必要なデータを要約するようにします。比較的小さいファイルでは、これが上手くいきます。しかし何百万、何十億件という記録の場合、このアプローチではアプリケーションを長時間実行することになるため、一部の閲覧者が期待するようなレスポンスタイムに応えられません。

その場合は、データをステージングしてみましょう。時間ベースなどの定期的に再構築や更新を実行するテーブルまたはビューを作成し、チャート作成に必要なデータを提供します。このアプローチを使用すると、レスポンスタイムを改善することができます。

データを時間経過と供に生成されるデータポイントで抽出したメトリクスデータベースの構成要素にし、要約済みの記録を削減して、レポートにちょうど必要な分量にします。このテクニックを使用すると、多くの時間ベースのクエリで素早いレスポンスを実現できます。また、各年を比較して差異と変化率を示すには、期間別の情報を要約し、さらに前年度の同じ期間を要約する必要があります。もしメトリクスデータベースアプローチを採用している場合は、昨年または年度別のデータがすでに要約されている可能性があります。

Temporal 機能

IBMは最近、DB2 for iにTemporal機能を追加しました。この機能によって年度別や期間別の比較がしやすくなるでしょう。DB2 for iの新機能がIBM i 7.3で利用可能になると、過去の任意の時点のデータを表示するためのデータを保存できるようになります。Temporal機能を実行すると、翌月でも翌年でも、2つのクエリ(現在の期間と以前の期間)を作成し、各年の月や四半期の共通の経過時間を指定することができます。Temporal機能の使用に関わらず、年次比較は図4のようになります。

図4

図4

図5のような数値形式で比較すると、同様のデータを別の視点で見ることができます。

図6

図6

このようなセールスメトリクスの場合、ビジネスに必要な測定に合わせて、さまざまなプレゼンテーションやビューを活用することができます。ダッシュボードをまとめるには、最初にダッシュボードの背後にある適切な数字を抽出する戦略を立てることが必要です。

DB2テーブル、ビュー、マテリアライズドクエリテーブル、SQLストアドプロシージャは、このようなプレゼンテーションをサポートする優れたアプローチです。DB2 Web Query for iでは、これらのデータベースオブジェクトの各タイプを消費し、データソースから1つ以上のレポートまたはチャートを生成することができます。図6のように、Web Queryポータルでページまたは単一ドキュメントで組み合わせると、ビジネス活動をレビューするためのダッシュボードの能力を確認することができます。

図6

図6

私はDB2プロシージャやビュー、MQTと併せて使用するプログラムで生成するメトリクスデータベースというコンセプトが気に入っています。メトリクスデータベースには、説明やメトリクスの定義、収集時のタイムスタンプ、取得済みのメトリクスに関連する数値が含まれています。メトリクスリポジトリには、事前集計によって、含まれる記録数が運用データよりも少なくなります。このおかげでレスポンスが速くなります。

データ記録は説明、日付、タイムスタンプを含むロジックによってさらに要約しなければなりません。そこで、必要に応じて実際の運用データを掘り下げることで、選択した期間またはデータのサブセットについての詳細な情報を取得し、処理する記録数を制限することができます。

ジョブスケジューラ

Web QueryのStandard Editionでは、ジョブスケジューラコンポーネントでレポート作成したり、ポータルやファイル、ユーザー、フォルダにデータをまとめたり配信したりすることができます。あるいは、IBM iのジョブスケジューラでは、運用データを読み取って要約するジョブを実行し、関連期間のメトリクス記録を作成することができます。

RPGやSQL、Web Queryを使用すると、毎日のスナップショットを含むデータを収集し、あとでそこから週、月、年毎の要約を取得することができます。一度作成すれば、現在の値または傾向分析を示す1つ以上のメトリクスをダッシュボードに表示することができます。図7はブラウザまたはモバイルデバイスで閲覧可能な別のダッシュボードの例を示しています。

図7

図7

Information Builders Mobile Favoritesアプリケーションは、プラットフォームアプリストアから入手可能で、タブレットや携帯電話でデータを観覧することができます。IBMとInformation Builders社は、IBM i市場に向けてDB2 Web Query for iを手頃な価格で豊富な機能を搭載した使いやすいビジネスインテリジェンスサービスにするために熱心に取り組んできました。

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本記事は「IBM Systems Magazine」の許諾のもと、原文を日本語化するとともに、一部再編集したものです。原文をご覧になりたい方は下記よりアクセスしてください。

原文タイトル:How to Build Dashboards in DB2 Web Query for i
原文著者: Rick Flagler

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