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コラム
【どうする5250】第1回 IBM i Access Client Solutions


IBM i Access Client Solutions

IBM i Access Client Solutions (以下 ACS) は、IBM i Access for Windowsの後継となる、IBM i Accessファミリーの製品です。
ACSはJavaベースの製品で、Windows, Mac, LinuxなどJavaをサポートするほとんどすべてのプラットフォーム上で稼働します。また、zipファイルをダウンロードして展開するだけで、特別なインストール作業をせずに使用することができます。
ACSはIBM i Accessファミリーの製品であり、5250エミュレーターおよびデータ転送機能を使用するためには、接続先のIBM i システムに5770-XW1のライセンスが必要になります。5770-XW1のライセンスはIBM i Accessファミリーで共通のライセンスになりますので、すでにIBM i Accessファミリーの製品を使用されているお客様は、お手持ちの5770-XW1のライセンスでACSを使用することができます。

ACSでは、以下の機能を提供しています。

  • 5250エミュレーター
  • データ転送
  • 統合ファイル・システム(IFS)の処理
  • プリンター出力の表示、ダウンロード
  • Db2 for i データベースの管理
  • SQLスクリプトの実行
  • SQL Performance Center
  • 5250コンソール
  • 仮想制御パネル
  • ハードウェア管理インターフェース

また、WindowsおよびLinux向けに、クライアント・アプリケーションの開発のためのミドルウェアを含むオプション・パッケージが提供されています。それぞれのオプション・パッケージで、以下の機能が提供されます。

Windowsアプリケーション・パッケージ

  • ODBCドライバー
  • IBM i システム・オブジェクトへアクセスするための、プログラミング・ツールキット
  • TLS/SSL接続のサポート
  • AFP印刷装置ドライバー

Linuxアプリケーション・パッケージ

  • ODBCドライバー

前提条件

ACSを実行する前提条件は、Java 6.0以上です。
(2018年6月に提供予定のリリースからは、Java 8.0以上が前提になります)

入手方法

ACSは、次の2つの方法のいずれかで入手できます。

  • 以下のWebサイトから、基本パッケージをダウンロード(IBM IDが必要です)
    https://www-01.ibm.com/marketing/iwm/iwm/web/preLogin.do?source=swg-ia
  • Entitled Software Support (ESS) Web サイトから、基本パッケージとオプションのWindowsおよびLinuxのアプリケーション・パッケージをダウンロード
    (WindowsおよびLinuxのアプリケーション・パッケージは、ESS Webサイトからのみ入手可能です)

次に、ACSの主な機能について説明します。

5250エミュレーター

5250エミュレーターは、IBM i を使用するためのディスプレー・セッションとプリンター・セッションを提供します。ACSの5250エミュレーターは、Host On-Demandをベースとしています。
ディスプレー・セッション、プリンター・セッションの作成、実行や管理は、IBM i Access for WindowsやPcommと同様な、5250セッション管理機能から行うことができます。5250セッション管理機能では、IBM i Access for Windowsで使用していたセッション・プロファイルを、ACS用のプロファイルに変換する機能も提供されています。

5250ディスプレー・セッションは、IBM i Access for Windowsと同様に、マクロ機能やキーボード・マップ機能が利用可能です。また、異なるホスト・コード・ページを使用する複数のセッションを同時に表示し、異なるエミュレーター・セッション内で別個の言語が使用可能です。
ACSのディスプレー・セッションには、画面の展開を記録する画面ヒストリー機能があります。記録された画面ヒストリーは、アーカイブ・ビューアーから選択して、画面展開の再生や、画面をテキスト・ファイルへ書き出すことが可能です。画面ヒストリー機能を使用することで、アプリケーションの操作ガイドの作成や、不具合が発生した際の操作の再現を行うこと等が可能になります。
ACSバージョン1.1.6.2より、5250エミュレーターでEHLLAPIをサポートします。EHLLAPIは32bit環境で使用可能であるため、Javaは32bit版を使用する必要があります。

5250エミュレーターのプリンター・セッションでは、現在は以下の印刷機能をサポートしています。

  • PDTによる印刷

プリンター毎に用意されているプリンター定義テーブル(PDT)を使用して印刷します。IBM i から送られてきた印刷データを、PDTの定義に従ってプリンターのデータ・ストリームへ変換して、プリンターへ送ります。

  • ホスト変換機能(HPT)を使用した印刷

IBM i のHPTを使用して印刷します。IBM i 上で印刷データをプリンターのデータ・ストリームへ変換し、プリンターへ送ります。

  • Java印刷サービス

クライアント側に定義された任意のプリンターへ印刷します。現時点では、IBM i のHPTによって変換されたテキスト・データの印刷のみが可能です。

データ転送

IBM i データベースと、クライアントPC上の様々なデータ・タイプのファイルとの間で、データを転送します。データ転送を行うには、IBM i Access for Windowsと同様に、転送要求を作成して、転送を実行します。IBM i Access for Windowsの転送要求ファイルを移行して、ACSでデータ転送を実行することが可能です。

IBM i からクライアントへのデータ転送では、データをファイルへ保管するか、ディスプレーへ表示することができます。また、データをアクティブ・スプレッドシートへ転送することもできます。Windows上のACSではExcelとOpenOffice Calcスプレッドシート、macOSとLinux上ではOpenOfficeのCalcスプレッドシートをサポートします。

転送されたデータをファイルへ保管する場合に、ACSでサポートするデータ形式は以下になります。

  • コンマ区切り (.csv)
  • タブ区切りテキスト (.txt)
  • テキスト (.txt)
  • Microsoft Excel (.xlsx)
  • Microsoft Excel 97 – 2003 (.xls)
  • OpenOffice (.ods)
  • DOSランダム (.dsr)

IBM i からのデータ転送では、IBM i データベースから転送するフィールドを選択することが可能ですが、SQL SELECTステートメントを直接入力することも可能です。

ACSの機能は、GUI画面からの実行の他に、コマンド行からの実行も可能ですので、データ転送をバッチで実行することも可能になります。

コマンド行からの実行は、IBM i 上でネイティブに実行することも可能です。例えば、IBM i 上でデータ転送機能を実行することで、データベースからIBM i 統合ファイル・システム (IFS)上に直接PCファイルを書き出すことができます。
ACSのacsbundle.jarと転送要求ファイルを、IFS上に保管します。
例えば、acsbundle.jarと転送要求ファイルを、以下のようにIFSに保管します。

/home/AccessClientSolutions/acsbundle.jar

/user_1/qcustcdt.dtfx

IBM i 上で次のコマンドを実行します。

QSH CMD(‘java -jar /home/AccessClientSolutions/acsbundle.jar /plugin=dtbatch /user_1/qcustcdt.dtfx’)

ACSの各機能については、現行ワークステーションのすべてのユーザーに対して使用を制限することができます。機能の制限は、root権限または管理者権限を有するユーザーが、コマンド行から実行します。

IBM i Access for Windowsから、ACSへの移行

ACSの構成ファイルと、IBM i Access for Windowsの対応する構成ファイルとは互換性はありませんが、ACSが変換機能を提供しています。

システム構成の移行

ACSのメイン画面のメニューから、「ファイル」→「接続のコピー」として、既存のIBM i Access for Windowsの接続構成をACSへコピーすることができます。
システム構成の移行は、ACSをWindowsで実行する場合に使用可能です。

5250エミュレーターの移行

5250セッション管理機能では、IBM i Access for Windowsで使用していたエミュレーターの定義をACSで使用するための変換機能を提供しています。以下の定義を、ACS用に変換することができます。

  • .ws : エミュレーター・プロファイル
  • .bch : エミュレータ・バッチ・ファイル
  • .kmp : キーボード・カスタマイズ・ファイル
  • .pmp : ポップパッド・ファイル
  • .bar : メニューバー・ファイル

これらのファイルは、ACS用に以下のファイルに変換されます。

  • .hod : エミュレーター・プロファイル
  • .bchx : エミュレータ・バッチ・ファイル
  • .kmp : キーボード・カスタマイズ・ファイル
  • .pmp : ポップパッド・ファイル
  • .bar : メニューバー・ファイル

5250セッション管理機能のメニューから、「ツール」→「プロファイル・マイグレーション」を選択すると、変換ツールが開始されます。

ファイル・タイプ .kmp、.pmp、および .bar は、両方の製品で使用されますが、フォーマットの互換性はありません。

IBM i Access for Windowsのマクロも、同様にACS用に変換することが可能です。5250セッション管理機能のメニューから、「ツール」→「マクロ変換」を選択すると、マクロ変換ユーティリティーが開始されます。IBM i Access for Windowsのマクロが、キー・ストローク以外を含むカスタム・マクロの場合、マクロ変換ユーティリティーでは変換できない場合があります。マクロ変換ユーティリティーは、ACSをWindowsで実行する場合に使用可能です。

データ転送の移行

IBM i Access for Windowsのデータ転送要求ファイルを、ACS用のデータ転送要求ファイルへ変換することができます。
データ転送画面のメニューから、「アクション」→「データ転送マイグレーション」を実行します。

 

以下の転送要求ファイルを、ACS用に変換します。
(IBM i Access for Windows V5.3以降の転送要求ファイルをサポートします)

  • .dtf – IBM i からのデータ転送
  • .dtt – IBM i へのデータ転送

これらのファイルは、ACS用に以下のファイルに変換されます。

  • .dtfx – IBM i からのデータ転送
  • .dttx – IBM i へのデータ転送

データ転送マイグレーションでは、IBM i へのデータ転送で使用するファイル記述ファイル (.fdfファイル)を変換することができません。ACSで使用可能なファイル記述ファイル(.fdfxファイル)は、IBM i からのデータ転送時に作成するか、ファイル作成ウィザードを使用して作成します。ファイル作成ウィザードは、データ転送画面のメニューから、「アクション」→「IBM i データベース・ファイルの作成」で開始します。

さいごに

IBMは4月24日付で「IBM i Access for Windows 7.1」のサポート提供を2019年4月30日で終了するとの発表を行いました。
これですべてのAccess for Windowsがサポート終了となり事実上の終結宣言ともいえます。
この機会にぜひとも当文章を参考にACS導入をご検討いただければ幸いです。

【参考情報】IBMレター番号:JP18-0194
Software withdrawal and support discontinuance: IBM PowerSC Standard, IBM PowerVC, and IBM i Access for Windows selected version and releases 


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