【初心者向け】ウワサのPOWER9は何がすごいのか?
2018年2月13日、IBMからPOWER9プロセッサーを搭載した新しいPower Systemsミッドレンジサーバー群が発表されました。
iCafeより最新情報をお届け!下記記事も合わせてご覧ください。
【速報】待望のPOWER9搭載ミッドレンジサーバー登場!
POWER アーキテクチャーをベースとしたIBMのマイクロプロセッサー、POWER。クイズチャンピオンに勝利したあのスーパーコンピューター「Watson」にも搭載されているこのプロセッサーは、2017年に最新版・POWER9が投入される予定です。各方面からさまざまな予想が飛び交い、周囲の期待も感じられる中、iCafe編集部が初心者向けにPOWER9のすごさを解釈してみました。
POWER9にかけるIBMの意気込みがすごい!
IBMはハイエンドサーバー市場において、Intelに真っ向勝負をかけています。「2020年に向けて2桁のシェアを奪還する」とIBMパワーシステムのゼネラルマネージャー・Doug Balog(肩書は2016年6月当時)は言い切りました。
しかも、IBMだけで進めるのではなく、POWER9のOEMやパートナーを募り、勢力を強化しようとしています。IBMはPOWERプロセッサーの普及促進を目的に、業界団体OpenPOWER Foundationを設立し、積極的に啓蒙活動を展開中。実際に、かつてはIBM製のサーバーに限定されていたPOWERプロセッサーは、現在ではOpenPOWER Foundationの加盟企業が利用できるようになりました。つまり、IBM以外のメーカーからもPOWER9プロセッサーが発売される可能性も出てきているのです。業界全体で盛り上げようというIBMの意気込みが伝わってきます。
POWER9のスペックがすごい!
2016年8月21~23日、米国カリフォルニア州クパチーノで開催されたマイクロプロセッサーの国際学会「Hot Chips 28」にて、POWER9の概要がお披露目されました。
POWER9は、従来の基幹システムやデータセンターにも適用できるだけでなく、IBMが掲げる「コグニティブの時代」を意識したスペックになっています。つまり大量のデータを処理して、そこから新しいインサイトを得るようなコンピューティングでも威力を発揮できるようです。そういった処理では、さまざまなコンポーネントを接続して大きなパワーを生み出すためにバススロットの多様性が重要。POWER9は今回、初めて「PCI Express 4.0」に対応します。これは従来規格の2倍の転送速度(16GT)を誇ります。
GPUに関しても新たな対応が見られそうです。米NVIDIAのチップ間インターコネクト技術「NVLink 2.0」にプロセッサーとして初めて対応し、各種チップ間の連携を深めています。

ラインナップとしては、CPUコアの構成とメモリインタフェースの違いによって4種類が提示されています。スケールアウト(2ソケットサーバー向け)とスケールアップ(マルチソケット向け)があり、それぞれ12コア、24コアで構成されています。このように選択肢が増えることは、前述のOpenPOWER Foundationの加盟企業が、プロセッサーを独自製造する可能性をも後押しするでしょう。気になるメモリも大幅にグレードアップ。例えば、eDRAMは120Mバイト(!)と、十分なスペックです。

POEWER9への周囲の期待がすごい!
POWER9の概要が発表された際のソーシャルメディア(Twitter)の反応を見てみましょう(IBM関係者と思われるものは取り上げ対象から外しています)。Intelへの勝負を応援するものから、スペックについてまで、周囲からの期待が見られます。「POWER9」で検索すると、テクノロジー系メディアでも数多く取り上げられているのが分かります。
「POWER9にワクワク!」
I’m really excited for the #POWER9: Processor for the Cognitive Era session at #HC28. By Brian Thompto at #IBM. https://t.co/vsSEJIPAm6
— Rösti@NeoGAF (@RostiNeoGAF) 2016年8月5日
「IBMがAMDのZENを攻撃する!」
‘@IBM attacks @AMD’s ‘Zen’ about #Power9. #BigData #MachineLearning #DataScience #AI https://t.co/2x8ZQIhYag pic.twitter.com/29nL7ojRVT
— Dr. GP Pulipaka (@gp_pulipaka) 2016年8月25日
「絶対読むべき!」
A must read! #POWER9 https://t.co/ALOG5i7Y7y
— Brett Murphy (@PowerMan4Evr) 2016年9月1日
「Power9発見。新しい技術革新」
Découvrez le #Power9 : de nouvelles innovations techniques ! https://t.co/V8mYuoFtAU
— ID INFO (@IDINFO_CONSEIL) 2016年10月5日
「再び立ち上がるゾンビに期待!」
@TheRegister And IBM’s #POWER9, announced at Hot Chips? Not here yet, but expect the zombie to get up again with that!
— David Spurway (@D_Spurway) 2016年9月22日
POWER9
Scale Out (Direct Attach Memory)
Scale Up (Buffered Memory)
最大理論 Memory Bundwidthはかなり差がある。
L4の効果を考慮するとより差が大きくなるのでは?— OGAWA, Tadashi (@ogawa_tter) 2016年9月29日
「よりクールな何かがPOWER9とともにやってくる」
Wise words from @SteveFields19 about #PowerAccel interconnects and more cool things coming with #POWER9…https://t.co/48lxceKDQy
— Mandie Quartly (@mandieq) 2016年9月7日
「IBMは次のPOWER9でインテルから市場を奪回すると信じている」
IBM believes it can take back market share from Intel with its upcoming #Power9 chips. Find out how here:https://t.co/GNAF8Srrlr
— Blair (@_blairtk) 2016年9月1日
まとめ
2017年の発売が待ち遠しいPOWER9。IBMがこの分野にかける意気込みが伝わってきます。プロセッサーとして初めて対応することも多く、従来の機能をグレードアップさせながらも、多種多様で大量のデータ処理を前提として新しいコンピューティングに対応してきています。POWER9が搭載されたIBM i が企業の情報システムに貢献する分野や形もまた、変わってくるのかもしれません。
参考リンク
Battle lines are drawn: IBM prepares Power9 to take on Intel and ARM
http://www.cio.com/article/3087813/battle-lines-are-drawn-ibm-prepares-power9-to-take-on-intel-and-arm.html
Power9 Opens IBM to Partners
http://www.eetimes.com/document.asp?doc_id=1330350